出産前・出産後のお母さんの不安や悩みをいつでも気軽に助産師などに相談できる場をつくる、そんなサービスを新潟市の企業が始めた。子育てしやすい環境作りの一助になるのか、その現場を取材した。
心身のケアや育児のサポート行う“産後ケア”
この日、助産師の高橋萌さんが訪れたのは、生後4カ月の娘を育てる畑中奈々恵さんの自宅だ。
高橋さんは新潟市から委託され、お母さんの心と体のケアや育児のサポートを行う「産後ケア」を担っている。
この記事の画像(7枚)畑中さんは「本当に小さいことが何でも不安になってしまう。ネットだと正解が分からず、不安が増していくばかり。かと言って病院に問い合わせることでもないような内容もたくさんあるので、助産師に話せるのはよかった」と話す。
“オンライン”で妊娠や育児の不安・悩みを相談!
新潟市では産後ケアを受けられる対象は現状、原則生後半年まで。
妊産婦が悩みや不安をいつでも気軽に打ち明けられる環境が少ないのではないか…そんな課題を産婦人科のクリニックで働く中で感じていた高橋さんは2024年3月に「ファミくる」というサービスを始めた。
「皆さん、どこに相談したらいいか分からなくて困っている現状をすごく感じていて、すべての人に当たり前のように気軽につながれる助産師・専門家がいたらいいなというか、あるべきだろうなと」
産前産後のお母さんを支援するオンラインサービス・ファミくるの画面を見てみると、「一日に胎動はどのくらいあるのが普通ですか?」「卒乳の時期はいつ頃がいいですか?」など様々な質問が寄せられていた。
ファミくるは、こうした会員が投稿した相談やビデオ通話に医師や助産師が応じ、妊娠や育児の不安・悩みの解消につなげようというサービスで約450人が会員登録している。
“産後うつ”になる前に…気軽に相談できる場を
第一子を育児中の森麻未さんは15分の間に次々と質問を投げかけていた。
森さんは「分からないことは1週間レベルでたくさん出てくる。オンラインで気軽にいつでもつなげていただけるのがすごくありがたい。まだ小さいと、お出かけ・訪問は授乳やお昼寝の時間の調整が必要になるが、その必要がないのでありがたい」と話す。
4人に1人がなるという調査結果もある「産後うつ」は、決してまれなことではない。
畑中さんも「すごく不安な気持ちになることが想像以上に多くて、こんな不安な気持ちに自分でもなるんだとびっくりした。気軽に相談できるのはありがたいし、大事だと思う」と話す。
産後うつなどになる前に不安を取り除くツールにしてほしいと高橋さんは話す。
「産後うつを未然に防ぎたい。医療者が直接不安を解消していくところが一番大きな役割だと思う。1人で悩まずに発信してもらえたら。みんなでママたちをサポートしていきたいと思っているので、日常の中で使えるサービスを認知してもらい、気軽に使っていただけるといい」
(NST新潟総合テレビ)
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