岩手山で山の膨張を示す地殻変動が確認され、8月21日に臨時の解説情報が発表されました。
これを受け22日は気象台による現地調査や対応を協議する会合が開かれました。

岩手県八幡平市にある岩手山の登山口「七滝登山口」では、22日午前8時ごろから気象庁の機動調査班が火山活動を調べるため入山の準備を進めていました。

岩手山では2024年2月ごろから山の膨張を示す地殻変動が観測され、その西側の黒倉山付近では微小な火山性地震が増えています。

このため仙台管区気象台は、岩手山の火山活動が高まっている可能性があるとして、21日に臨時の解説情報を発表。

火山の解説情報が岩手山に発表されるのは、火山活動が活発化し一部で入山が規制された1998年以来26年ぶりで、8月までの地殻変動量も当時と同じ規模に達しています。

噴火警戒レベルは現在(8月22日時点)1ですが、火口周辺の立ち入りを規制する2に引き上げるかどうかを判断するため、気象庁は22日に観測地点として設定される岩手山の大地獄谷で山の表面温度の測定や水質の調査を実施。

この結果は早ければ23日にも発表されるということです。

この上で気象庁は岩手山登山についての注意点を次のように述べました。

盛岡地方気象台 濱浦俊悦防災管理官
「気象庁、仙台管区気象台が発表する情報を常に取得するかたまに見る。火山に異常がないかを確認しながら登山してほしい」

岩手山の麓で宿泊や日帰り入浴で多くの登山客が訪れる「八幡平ハイツ」です。
観光面への影響はあるのでしょうか。

八幡平ハイツ 中嶋健一フロント部支配人
「当館では心配が寄せられるとか特になかったので大丈夫」

この上で岩手山とは別の観光スポットも再発見してほしいと話します。

八幡平ハイツ 中嶋健一フロント部支配人
「(八幡平)アスピーテラインを上り頂上に行くこともできるし、温泉や食事をゆっくり利用できる。安心して来てほしい」

一方、県庁では県や地元の自治体、それに有識者らが会合を開き今後の対応を協議しました。

現時点では火口付近への立ち入り規制をしないことが確認された一方、大地獄谷で「水蒸気噴火」の可能性があるとして、周辺に立ち入らないよう注意喚起する方針がまとめられました。

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