夏休みも終盤を迎えているなか、全国の中学生を対象にしたバスツアーが行われています。行き先は愛媛の県立学校。少子化が進むなか、全国から生徒を獲得しようと独自の特色ある授業などがアピールされています。22日は松山南高砥部分校で行われました。

松山南高校砥部分校にやってきた1台のバス。東京や大阪など全国から集まった中学生10人とその保護者です。この学校は統合の猶予期間があと3年。存続に向けて寮の建設など、生徒を獲得する取り組みを積極的に進めています。

バスツアーは県教育委員会が企画。毎年夏と秋の2回行われていて今年で4年目。生徒を全国募集している8つの県立高校が見学を受け入れていて、生徒の参加費や宿泊費などは全て無料です。

神奈川から参加した中学生:
「うちの周りの学校より色んなのがそろってていい」

香川から参加した中学生:
「陶芸がちょっと興味あって来ました。陶芸のことが見れたら一番いいんですけど、ほかのことも興味を持てたらいい」

この学校で学べるのはデザインだけでなく陶芸や写真も。校内の実習スペースを見学したあと、生徒たちはパソコンルームへ。この場所に砥部分校が全国から注目されるワケがあります。

担当教員:
「それぞれが興味ある深掘りしたところを深く学んで、グループを作ってプログラミング担当、アニメ担当。そういう形で一つのゲームを作り上げる」

砥部分校で来年春からに新たに設置されるのが、全国でも珍しい「ゲームクリエーションコース」。イラストやプログラミングなど、ゲーム制作のスキルが幅広く学べるカリキュラムが予定されています。参加した中学生は早速パソコン上でイラスト制作を体験。慣れないマウスでの作画に戸惑いながらも、教員や高校生らに教わりながらイラストを描き上げました。

大阪から参加した中学生:
「普段あまりパソコンを触らないので新鮮で楽しい。ゲームクリエーションコースがいい。普段じゃできないことが出来てるので勉強になるし楽しい」

保護者:
「いいですね。より実践的というか色んな経験ができていいと思います」

県教育委員会によりますと、この学校見学バスツアーの申し込みは去年の夏が48件。今年は79件と年々増えているといるということです。

松山南高校砥部分校。徳森久子分校長:
「ゲームクリエーションコースが令和7年度に新設ということで、県外や愛媛県内の方がたくさんご連絡や注目されている。実際に見て頂くことで砥部分校で学ぶ自分の姿が具体的にイメージできるのではないか」

全国募集による県外からの入学生は2019年度が8校で11人。今年度は13校で112人と約10倍になりました。

少子化が進むなか、生徒の獲得を目指す学校側も大きな期待を寄せています。

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