育児の話題をお伝えするコーナーです。
少子化による問題が浮彫りとなる中、広島県の湯崎知事が県民と話し合う車座会議が県内各地で行われています。
先日、「子育て・教育に係る負担を社会がどこまで負担すべきか?」をテーマに行われた車座会議。どんな意見が出てきたのでしょうか?

広島県三次市の子育て施設「みよし森のポッケ」で行われた車座会議。
広島県の湯崎知事を囲み、7人のメンバーが意見交換しました。
ライク金曜コメンテーター叡啓大学の早田吉伸教授や県子ども真ん中応援サポーターの久保田夏菜さんをはじめ、三次市の子育て真っ最中のパパ・ママや祖父母世代、独身層など様々なメンバーが集まりました。

【広島県・湯崎英彦知事】
「みなさんのご意見をうかがえるのを楽しみにしております」

まずは、少子化の現状は?

【広島県 子ども未来応援課 小田純子さん】
「出生数・合計特殊出生率はともに減少しています。合計特殊出生率は全国平均を上回っていますが、少子化に歯止めをかけることはできていない状況です」

そんな中、昨年度の調査で、県内の18歳から49歳の子ども希望数は、8割以上の人が2人以上。3割以上の人が3人以上。にもかかわらず、31.1%が希望をかなえられていないことがわかりました。

【広島県 子ども未来応援課 小田純子さん】
「希望の子ども数を持たない理由ですけれども、経済的負担や時間的な余裕がないが多くて、もう一人出産、子育てをしようという意思決定につながる支援としては、経済的負担のさらなる軽減という回答が最も多い状況でした」

そうした現状を踏まえ今の子育て支援は充実しているかどうか、〇×での札で聞いてみると…。

「〇(充実していると思う)が4人、×(充実していないと思う)が2人。分かれましたね」

【子ども真ん中応援サポーター 2児の母・久保田夏菜さん】〇(充実している)
「今、私が子育てを4、5年して現時点では満足と感じています。支援策が増えれば増えるほど、納税の部分で負担が拡大していくと思うので、そのバランスを考えると、あまり多すぎてもなっていう部分があるので。角佛さん今、何か言いたげでしたけど」

【7歳から17歳まで4人の母・ 角佛里恵さん】〇(充実している)
「充実しているなと思っていて、一番上と一番下が10歳離れているので10年間でも本当にどんどん(支援が)増えてきているなと感じています。それがゆえに大したことないけど(乳児医療費が)500円だから病院に行ったという方も結構いらっしゃるので使う側の意識もちょっと気になるなあっていうのは思います」

【20代の孫がいる 桑原利治さん】〇(充実している)
「税金を投入して(子どもを)大きくできるのはびっくりですよね。まぁ考えられなかったことですけどね。上は天が、きりがない。やっぱり自分が作った子どもは、自分で責任をもって大きくしてやるのが本来の姿ではないだろうかと思います」

最年長の意見に対し、最年少からは異なる意見も…。

【独身 いずれ子育てしたい・伊藤晴美さん】
「こういう制度があると子どもを作るなど、これから先考えられるというか、安心感があるかなとは思います」

【叡啓大学・早田吉伸 教授】(地域活性化や社会システムデザインが専門)
「経済的な面も含めて、どうやって子育てできる安心感を持ちたいかというところがみなさん共通した意見で出てきたのかなという感触はありましたよね」

ちなみに、県の予算が限られる中、財源はどれぐらい必要になるのでしょうか?県が新たに、少子化対策に効果が出ると言われる制度を導入した場合、0歳から2歳児の保育料の無償化でおよそ47億円、県民一人あたり年間3200円の負担が必要です。
小中学校の給食費の無償化は、その倍以上のおよそ110億円、高校の授業料の完全無償化も、およそ71億円と決して少なくない負担が…。

そこで、次の質問「財源確保、だれがどこまで負担する?」負担できるは〇これ以上無理は×を上げてもらいました。

【16歳と20歳 2人の子の母 山崎浩美さん】(もっと税金面負担してもいい)〇
「私は自分の時代に支援を受けているので、負担は仕方ないなと思うんです。うちの子、女の子で、今からたぶん結婚して子どもを産んでというのを考えたら親世代は仕方ないなと思いますし」

【去年子どもが誕生してパパに・ 佐々木良さん】(税金の負担これ以上は無理)×
「(国の)財源の透明化というところが、すごく大事なんじゃないかなって、これ本当に思うんです」

Q:逆を言えば、透明化、このお金はこれに使いましたとストレートに目で見えたら×が〇に変わる?

【去年子どもが誕生してパパに・ 佐々木良さん】
「変わります。変わります。クリアになればもっと僕は出したいんです。健全な政治の中で、きれいに子どもたちにお金を使っていただきたい」

【7歳から17歳まで4人の母・ 角佛里恵さん】(税金の負担これ以上は無理)×
「ちょっと私も似ているんですけど、やっぱり行政って、その年の間に(予算を)使い切らないといけないって、それ無駄じゃないって思うんですけど(負担を)増やす前にちょっとやり方を変えるとかどうかなと思って」

一方、独身の伊藤さんから出たのは…

【独身 いずれ子育てしたい・伊藤晴美さん】(税金の負担これ以上は無理)×
「今、自分の生活というところでけっこうそれを保っていくのに必死な状態で、それで納税してってなってくると今の生活、自分の生活がどうなるのかな」

【子ども真ん中応援サポーター 2児の母・久保田夏菜さん】(もっと税金面負担してもいい)〇

「何百円なのか、何千円なのか、何万円かで状況は変わってくると思うが、払うという形でかかわることで人口減少とか、少子化というのを自分事としてとらえるきっかけになってほしいと思っている」

【20代の孫がいる・桑原利治さん】(税金の負担これ以上は無理)×
「お金だけ突っ込んでいって、数字が上がっていくんであれば、一番いいことですけれども、なかなかお金だけではない」
【去年子どもが誕生してパパに・ 佐々木良さん】(税金の負担これ以上は無理)×
「人と人のふれあいがあるところであれば、極端な話、お金がそんなになくても子育てはできますし、三次市にはすごくたくさんあるなと思っていて、本当にお金じゃ買えない価値というのは本当にそこにあると思いますので」

【叡啓大学・早田吉伸 教授】
「キーワードはずっと安心感ということに尽きたなという感じなんですね。その安心感の中で、子どもが産めるという状態をどう作れるかどうかっていうのは、肝になってくるのかなという」

1時間にわたる車座会議を終えた知事は?

【湯崎英彦 知事】
「きょう特に特徴的だったのが、確かに子育て支援はもっとあったらいいなと思うけど、税金の使い方が、そもそも自分たちとしては、不明瞭だったりとか、もっと良い使い方があるんじゃないかっていうそういうご意見ってすごく、もっともだったと思うんですよね。
お金の使い方の説明をしながら、一方で子育て支援もしてほしいということにどう我々はそれを満たしていくかということを考えなきゃいけないという風に思いました」

<スタジオ>
今回の車座会議で議論された『子育て』と『お金』をテーマとしたアンケートを募集しています。
TSSのホームページからアクセスできます。ぜひ、みなさんのご意見をお聞かせください。

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