8月も残すところあと6日。厳しい残暑が続いていますが、ぐっすり眠れていますか?まだまだ寝苦しいこの暑い時期、快適な睡眠環境とはどういうものなのか、医師に話を聞きました。
この時期の睡眠について街で話を聞くと「今までにない暑さなので朝までエアコンを付けっぱなしにしている」「付けっぱなしでドライにして、布団をかけて寝る」「エアコンの切れるタイミングで目が覚めてしまう」「(寝ている間エアコンをつけていると)朝だるくて起きられなくなってしまう」などと、何かしら悩みを抱えている人の声が多く聞かれました。
残暑が厳しいこの時期に、快適な睡眠をとるために必要なことは何なのか、福井市四ツ井にある「ドクター・ズー」の清水元茂院長に聞きました。
清水院長は、睡眠の目的について「まず体を休めるというのが一番で、寝ている間にエネルギー補給をするため」と話します。
他にも▼寝ている間に頭の中で嫌なことを整理整頓する▼記憶を安定、保持する▼免疫力を上げる効果もあるということです。
この暑い時期、十分な睡眠がとれないことについては「室温が高いため深部体温が下がりにくく、寝付けないことが一番の原因なので、いかに深部体温を下げて環境を整えていくかた大切」と話します。
体温には、体の表面の温度「皮膚温」と、内臓などの体の内部の温度「深部体温」があり、睡眠にはこの「深部体温」が深く関わり、「寝る時に深部体温が下がっていくというのが非常に大切」といいます。
では、深部体温を下げるにはどうしたらよいのでしょうか。
ドクター・ズー 清水元茂院長:
「寝る1時間~1時間半前に38度~39度のぬるめのお風呂に入って一旦体温を上げ、その1時間~1時間半の徐々に深部体温が下がる環境が、寝付くのに非常にいい環境だといわれている」
清水院長によりますと、入浴により深部体温を上げることで、体内の熱を逃がそうとする機能が高まり、深部体温が下がっていきやすくなるため、睡眠に入りやすくなることにつながるということです。しかし、入浴時の温度が高すぎると体温が下がるのにも時間がかかるため、注意が必要です。
また夏は、シャワーで済ませがちという人も多いのではないでしょうか。清水医師によりますと、湯船に入らずシャワーだけで済ませた場合、深部体温があまり変化しないため、深部体温が下がりにくい環境を自ら作り出してしまうということです。
そして、室内の環境を整えることも快適な睡眠には大切です。清水院長によると、室温は26度~28度が良いとされているので、入眠時はエアコンで適切な温度にコントロールすることが、快適な睡眠環境につながるということです。エアコンの風が苦手な場合は、寝る前に部屋の温度を下げておき、寝る時には扇風機で空気を循環させることも有効だということです。
清水院長は、入浴後から寝るまでの間にしてはいけないこととして、スマートフォンやパソコンなどを使うこと、大音量で音楽などを聴くこと、カフェイン入りの飲み物を飲むことを挙げています。また、入浴後から寝るまでは照明の明るさを落とすようにするのがよいと話しています。
睡眠に適した環境には個人差もあります。様々なことを試して、自分に最も適した環境を見つけてみましょう。
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