牛丼でおなじみの「吉野家」が8月28日から新たなどんぶりの販売を開始しました。
牛、豚、鶏に続く「第4の肉」ということですが、どのようなどんぶりなのか取材しました。
◆川崎キャスター
「吉野家といえばもちろん牛丼ですけれども、今、これまでにないとにかく珍しいメニューが登場したそうなんです」
牛、豚、鶏に続く「第4の肉」、その正体は?
◆川崎キャスター
「入ってすぐのところにありましたよ。国産ダチョウ肉。ダチョウのお肉のどんぶりです」
吉野家が8月28日に一部の店舗で販売を開始した「オーストリッチ丼」。
使われているのは、なんとダチョウの肉です。
◆店員
「お待たせいたしました。オーストリッチ丼になります」
◆川崎キャスター
「来ましたね。これがダチョウ丼です。すごいきれいな赤身ですね」
肉の断面は美しいピンク色。
見た目はおいしそうですが、気になるその味は?
◆川崎キャスター
「おいしい。すごくさっぱりしていて、お肉のうまみもギューッとくる。鶏肉に近い感じかと思っていたら、ローストビーフに非常に近い味わいですね。これおいしい」
斬新なダチョウのどんぶりに、客の受け止めは?
◆来店客
「気になります。食べてみたいです」
Q.味の想像つきますか?
◆来店客
「つかないです」
◆来店客
「いずれ挑戦したいかな」
興味はあるものの、なかなか注文には踏み切らない客が多い中…。
Q.きょうは何を頼みましたか?
◆来店客
「オーストリッチ丼」
Q.何のお肉かご存じですか?
◆来店客
「ダチョウ」
なんと、オーストリッチ丼目当てに吉野家を訪れたとのこと。
◆来店客
「とてもおいしい」
Q.今後もこのダチョウ丼を頼む?
◆来店客
「たまには」
食べた人にはおおむね好評だというダチョウの丼。
吉野家にはどんな狙いがあるのでしょうか?
◆吉野家ホールディングス 河村泰貴 社長
「10年後なのか20年後なのか、オーストリッチミートを牛肉・豚肉・鶏肉に次ぐ選択肢として多くの方に選択していただけるようにしていきたい」
から揚げなど牛肉以外のメニューにも力を入れ畜種分散を進める吉野家は2000年代からダチョウに着目。
子会社で自社牧場を運営しダチョウの研究を続けてきました。
脂が少なく低カロリーで豊富なビタミンや鉄分が含まれるダチョウは牛や豚と比べて少ない餌で成長することから、環境にやさしい食材として注目されているんです。
これについて専門家は?
◆京都府立大学 塚本康浩 学長
「吉野家さん、思い切ったことをされたなというのが印象です。危機管理という意味では、牛、豚、鶏だけに頼っていると、もし何かがあったときに非常に困る。ダチョウはその代わりになる唯一の動物かなと思う」
ダチョウを活用した事業に乗り出した吉野家ですが「オーストリッチ丼」の他にもスキンケア商品まで販売を始めました。
食用にはならないダチョウの脂の部分を使用したスキンケア用品なんですが、肌への美容成分の浸透を促進する効果が期待できるということです。
このほかにもダチョウ研究の第一人者の塚本学長によりますと、ダチョウは非常に免疫力が高く抗体を早く大量に作れるそうでさまざまなものに活用されています。
ダチョウの抗体を活用し薄毛防止に効果が期待できるシャンプーや、ダチョウの卵から抽出した抗体をフィルターに含ませウイルス飛沫などが遮断できるマスクも開発されています。
また、アトピーやニキビにも効果が期待できるスキンケア用品や、ダチョウの抗体を含んだ花粉対策キャンディーなども販売されているということです。
さまざまな分野で活躍しているダチョウですが、専門家によりますと、ダチョウは走り回るため飼育に広大な敷地が必要なことや狂暴な一面もあることなどから、飼育が難しいということで、今後どのようにダチョウ市場が広がっていくのか注目です。
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