総裁選の告示まで1週間。いま各候補が力を入れているのがSNSの発信です。果たして優勢なのは誰なのでしょうか。
■小泉氏 “父との思い出”配信
5日、横浜市内の学校を視察した小泉進次郎元環境大臣。元野球少年として野球部の生徒と触れ合いました。
小泉元環境大臣(43)
「みんなにアドバイスが1つあります。迷ったらフルスイング」
「もう1回聞くけど、迷ったら?」
生徒
「フルスイング!」
小泉元環境大臣(43)
「迷ったら?」
生徒
「フルスイング!」
小泉元環境大臣(43)
「俺も同じようにがんばります」
そんな小泉氏、新たなことに挑戦しました。
小泉氏のYouTubeから
「皆さんこんにちは、小泉進次郎です。この度、総裁選の立候補にあたり、新たに、このYouTubeチャンネルを開設しました」
総裁選に向け、YouTubeを開始したのです。
小泉氏のYouTubeから
「どうか、これからこのYouTubeチャンネル、よろしくお願いします。拡散、いいね、チャンネル登録。是非よろしくお願いします」
時には、父・純一郎元総理大臣とのエピソードも。
小泉氏のYouTubeから
「(Q.お父さんとの思い出は?)中学校の時の三者面談。先生が『進次郎くんにはもうちょっとリーダーシップを取ってもらいたい』って言ったんですよ。俺そんなことやりたくないよ…と思いながらも、うちの親父がなんて言うかな?と思ってたんです」
「そしたらうちの親父が言ったことは『 私は進次郎は今のままで良いと思います。私も政治家の息子だったから、進次郎の気持はわかる気がします。良いことしてもそうじゃないことしても目立っちゃうから“前に出ないように”という思いもあるんでしょう。それで良いと思います』って言ってくれて、稲妻に打たれたようなね。離れていても自分のことを考えて、見ていてくれてるんだなっていう親の愛情を実感するんですよね」
「あれで“もしも”ですよ、真逆で、『おい、いいか進次郎、先生が言ったように、これからはお前がリーダーシップを取ってやりなさい!』とか言われたら、俺の気持ちもわからないで何言ってんだよ…“政治家になろう!”なんて思ってなかったかもしれない。分かれ目だったかもしれないですね」
5日、YouTubeチャンネルの反響について聞かれると…
自民党 小泉元環境大臣(43)
「ストレートに称賛されたらそれはうれしいですけど。ただ、批判されたらへこみますよ」
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■“コバホーク”動画で腹筋挑戦なぜまた、“コバホーク”こと小林鷹之前経済安保担...■“コバホーク”動画で腹筋挑戦なぜ
また、“コバホーク”こと小林鷹之前経済安保担当大臣(49)も8月の出馬会見の翌日には、初めてYouTubeで生配信に挑戦しました。
自民党 小林前経済安保担当大臣(49)
「これ始まってるのかな? あれ?もしもし、じゃないや。あれ、これ始まっているのかな?」
小林氏の最大のウィークポイントは自他ともに認める知名度の低さ。本人も「知名度アップのためならなんでもやる」と意気込んでいます。
YouTubeでは、腹筋チャレンジも披露。
小林氏のYouTubeから
「…6、7、8、9、10。(13.63秒)あんまり早くないな…」
総裁選の中では1番かと聞かれると…
小林氏のYouTubeから
「そりゃ当然でしょ。体力だけは負けないですよ!」
YouTubeでの目的は、知名度アップはもちろん「硬派で堅物」というイメージの払拭もあります。
生配信などでも油断すると、すぐに厳しい顔で政策について真面目に語ってしまうという小林氏。秘書も常に「笑顔!笑顔!」と声をかけているそうです。
小林氏のYouTubeから
「(Q.タカさん、タカさん、これ何ですか?)目の下にクマができやすいんですよ。 そんな疲れてないんだけど、結構、昔からクマができやすい。これを塗るとクマ防止?効果があるって聞いたんでやってます!」
小林氏、生配信などではプライベートな話ばかりで、もっと政策の話もしたいというジレンマを抱えているようです。
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■総裁選SNS“素顔アピール”しのぎ削る今回の総裁選、7人以上が乱立するとみられて...■総裁選SNS“素顔アピール”しのぎ削る
今回の総裁選、7人以上が乱立するとみられています。
その一人、林芳正官房長官もSNSの活用を再開しました。2021年11月以来、およそ3年ぶりに投稿。プロフィールは「自民党総裁選挙立候補者」となっています。
まだカメラの前で出馬表明をしていない高市早苗経済安保担当大臣もSNSでは総裁選に向けた思いを明かしています。
高市氏のSNSから
「今の日本がなすべき事は、世界の分断回避への働き掛けと、 確固たる国家観による国家経営だと考えます。 私は、その視点で自民党総裁選挙に臨みます」
フォロワー数255万人以上と国会議員の中で群を抜く、河野太郎デジタル大臣も 「河野太郎総理で実現したいこと」として主張を投稿しています。
茂木敏充幹事長と石破茂元幹事長もYouTubeに出馬表明する動画を投稿しています。
皆が重要視するネットを使った総裁選。その狙いは、党員票です。
政治部 総裁選担当 飯山雄矢記者
「自民党の党員は全国に110万人いて、その一人一人に会えるわけではありません。そこで多くの党員に、早く、直接、自分がもっとも伝えたい情報を届けられるSNSは有効なアピール手段の1つです」
では、現時点で党員票獲得に誰が優勢なのでしょうか?
政治部 総裁選担当 飯山雄矢記者
「党員票では、いまのところ世論調査で人気があり選挙の顔として期待される小泉さん、石破さん、さらに、自民党の保守層から人気のある高市さん、この3人が有利とみられています」
「追い上げを図るほかの陣営は、SNSでもいかに自分の素顔や政策をアピールできるのかしのぎを削っています」
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■「全国民が確定申告」河野氏の真意はそんな中、ネットをさわつかせているのが、河...■「全国民が確定申告」河野氏の真意は
そんな中、ネットをさわつかせているのが、河野氏が X(旧ツイッター)で総理になったら実現したいことにあげたこの投稿です。
河野太郎氏のXから
「年末調整を廃止して、すべての国民に確定申告をしていただきます」
すべての国民が確定申告をする仕組みを整備すると打ち出した河野氏。その前提にあるのが「デジタルセーフティネット」構想です。
河野デジタル大臣(61)
「デジタルデータを活用してリアルタイムで困っている人に支援の手を差し伸べることができる、デジタルセーフティネットというものをつくることが、今の技術で出来ると思っております」
「そのためには、まず(企業)給与を支払ったら源泉徴収のデータ、保険料のデータ、それを一元的な窓口にデジタルで送ってください。窓口は税務署だったり、年金機構だったり、市町村にそのデータを連携を必要とするところへお出しをする。税務署はいただいたデジタルデータをベースにそれぞれの皆さんのマイナポータルを経由してe-Tax、eLTAXにそのデータを自動入力していくから、最終的に年末調整をやめる、企業はその負担がなくなります」
「最終的には、すべての皆さんの確定申告票が自動で入力されて、それを確認していただいて、その数字を見ていただいて、ポチッとボタンを押していただければ、それで確定申告が終わるという、これがゴールでございます」
「行政はリアルタイムで所得のデータをもらいますから、コロナやいろんな有事の影響で所得が減った人を選び出して、その人にプッシュ型で支援を送るということが可能になります」
ただ、すべての国民が確定申告をする仕組みを整備するには時間がかかるとしています。
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■茂木氏「増税廃止」が波紋 急展開なぜ一方、同じく5日、政策発表会見を開いた茂木...■茂木氏「増税廃止」が波紋 急展開なぜ
一方、同じく5日、政策発表会見を開いた茂木氏、改めて「増税ゼロの政策を推進する」と強調しました。
自民党 茂木幹事長(68)
「防衛力強化や子育て支援策はしっかりと進めつつ、その財源については、防衛増税、子育て支援金の保険料の追加負担、それぞれ1兆円は停止をし、新たな財源確保策で対応する。財源については新たな工夫をするということです」
「経済は、この1年9カ月で間違いなく良くなっている。当然、税収も上がる構造になっている。生産性が1%上がりますと、実質GDPも1%成長します。これによって1.4兆円の税収が見込まれるわけであります」
増税しないでも、経済成長による税収増などで財源は見込めるとした茂木氏。ただ、岸田政権路線とは違う政策を掲げたことに、党内からは疑問視する声も。
自民党 小泉元環境大臣(43)
「これは政策論ではなくて、やはり岸田総理、総裁を支えてこられた幹事長として、やはりどうなのかというものが問われる問題だと思います」
総理周辺
「子育て支援金と防衛費をとりまとめてきた責任者が幹事長なわけで、責任放棄だし、反対して飲み込んだ人も、一生懸命まとめてきた人も、どっちからも嫌われると思うよ」
茂木氏「増税ゼロ」が波紋。急展開の狙いは?
政治部 総裁選担当 飯山雄矢記者
「茂木さんや河野さんは、石破さんや小泉さんよりも、国民人気という面では一歩、遅れをとっているところもあり、話題になることを狙った“とがった”政策を打ち出す必要があるとみられます」
「経験や実績を自負するベテラン勢としては、政策論争に持って行きたい狙いもあるでしょうし、知名度の低い人ほどそのような戦略を練る必要が出てきています」
自民党 茂木幹事長(68)
「(Q.岸田政権の幹部として政策決定に関わってきた立場と、今回の『増税ゼロ』打ち出しの整合性についてどう考えるか?)これまで進めてきた政策と私が申し上げていることは矛盾はない、一貫をしていると、このように考えております」
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