私たちの食卓に欠かせない卵の価格がいま上がってきています。
一体何が起きているのか、福岡の現場を取材しました。
福岡市博多区の洋食店。
6日のランチタイム、店内は大勢のお客さんで満席状態です。
皆さんのお目当ては看板メニューの「デミソースオムライス」です。
スプーンを入れると、とろっとろ、ふわっふわの半熟卵とご対面です。
そのお味は…。
◆来店客
「卵がフワフワしててめちゃめちゃおいしいです」
◆来店客
「めちゃくちゃフワフワです」
オムライスに欠かせない卵。
この店では多い時には1日に800個を使っています。
その卵の価格に店側は今、頭を悩ませています。
◆いくら 博多店 景平達也 店長
「(価格上昇は)いっとき落ちついたんですけど、ここ1ヶ月ぐらいでまた跳ね上がったような感じではあります」
卵約160個入り1ケースの仕入れ値が、8月に比べ1000円から1500円割高に…。
この店ではすでに、卵が値上がりした今年5月のタイミングでメニューを100円~200円値上げしましたが、さらなる値上げが必要な状況に追い込まれているのです。
◆いくら 博多店 景平達也 店長
「一般的にオムライスは、庶民の方が食べられるメニューではあるので、やっぱりそこまでコスト上げられないなって。これ以上は厳しいかなとは思いますね」
“物価の優等生”とも言われ、私たちの日々の食卓に欠かせない卵。
JA全農たまごによりますと、福岡県内での卵の卸売り価格は今年1月時点で1キロあたり175円でしたが、6月以降徐々に上昇し、9月に入り248円となっています。
福岡県内のスーパーでは、こんな異変も…。
◆記者リポート
「こちらにはたくさんの卵が並んでいますが、元々メインで販売していた2Lサイズは入荷されず、少し小ぶりな卵がメインで販売されています」
こちらのスーパーでは、本格的な夏を前に2Lサイズの入荷が徐々に少なくなり、7月には入荷がストップ。
現在は、小ぶりなMSサイズをメインに販売しています。
◆マルコーバリュー 幸田敏治 社長
「MSサイズは棚の上で少し売るぐらい。もうこれがメインになってしまって。(生産者から)『とにかくサイズが小さい』という話だけは聞いている」
「卵」を巡り、いま一体、何が起きているのかー
福岡県内の養鶏場を訪ねてみました。
◆野上養鶏場 藤井豪 社長
「ああやって口を開けている鶏ですね。暑いと口を開けて、温度調整する。温度が高いことによって、エサを食べなくなる。水分ばっかり取りたがって水を飲むので、あんまり大きいサイズができない」
卵に異変が起きていた大きな要因は、この夏の「記録的な暑さ」でした。
猛暑でニワトリたちの体力が落ち、食べるエサの量が減った結果、卵のサイズが小さくなっているというんです。
この養鶏場では約7万5000羽のニワトリを飼育していますが、長引くロシアのウクライナ侵攻によるエサ代の高騰が卵の価格を押し上げている要因だとも言います。
“価格の優等生”とは名ばかりで、ここ数年、その値上がりが話題になる卵。
専門家はさらなる値上がりを危惧しています。
Q.これからどれくらいまで値段が上がる?
◆元東京農業大学教授 信岡誠治さん
「これは全く読めない。読めない理由は、これから10月~11月になって、鳥インフルエンザが一昨年のように大発生すると(価格が)大暴騰する。(価格がいつ落ち着くかは)ウイルスがどれだけ暴れるかによる」
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