「ダブルケアとキャリア構築、企業に必要な支援とは?」をテーマに、仕事と育児、介護との両立について考えるセミナーが、オンラインで開催された。ビジネスケアラー支援に取り組むコンサルティング会社「チェンジウェーブグループ」が開催し、企業の人事担当者ら約70人が視聴した。
毎日新聞が国の就業構造基本調査を基に集計した結果、子育てと介護が重なるダブルケアに直面する人は2017年時点で全国に少なくとも推計29万3700人いることが判明。さらに超高齢社会を背景に介護を担いながら働く「ビジネスケアラー」は急増し、経済産業省によると、20年は262万人(推計)で、12年と比べると51万人増えた。30年にはピークを迎え、318万人に達する見通しとなっている。
セミナーには、アーティストで東京芸術大准教授のスプツニ子!さんと、同グループの佐々木裕子社長が登壇した。
同社の集計で、仕事をしているダブルケアラーは40代後半で18人に1人、50代前半で8人に1人存在していることや、将来的に働きながらダブルケアラーになることに不安を抱えている人の声などを紹介した。その上で企業として当事者の実態把握や、支援に関するプッシュ型の情報発信が必要だと指摘した。
スプツニ子!さんは「従業員のみんなで共有や相談をして、なんとかしていこうとすることができたら理想だと思う」、佐々木社長は「まずは管理職の研修をすることが大切。そこから一歩、石が(前に)転がると、従業員にリテラシーが広がっていく」と語りかけた。【井手千夏】
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