米大リーグの球場で「おにぎり」を頰張りながら大谷翔平選手を応援――。大谷選手が所属するロサンゼルス・ドジャースの本拠地「ドジャースタジアム」の売店で6日、おにぎりの販売が始まった。米国ではおにぎり熱が高まっているという。新たな観戦スタイルとして定着なるか。
球場内の売店「築地銀だこドジャースタジアム店」で販売が始まったのは、日本産米を使ったふりかけのおにぎり。おかかと野菜の2種類で、価格は球場名物のホットドッグと同じ1個7・99ドルだ。日本人からすると強気の価格設定に思えるが、試合開始前には完売したといい、出足は好調のようだ。
発売に向けて販売促進支援などを手がけてきた日本貿易振興機構(ジェトロ)の担当者は「日本食文化や日本産食材の発信・宣伝拠点として、現在のドジャースタジアムはこの上ない環境だ」と期待を込める。
ジェトロなどは販売に先立つ7月、おにぎりの認知拡大を目的に、球場で日本産米を使ったおにぎりを無料配布するイベントを実施。具材は現地ですしネタとしても人気のふりかけと、ツナマヨをピリ辛に味付けしたスパイシーツナの2種類を用意した。
日本文化に親しむ「ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト」に合わせたイベントで、親日家が多かったこともあるが、「ライスボール」ではなく「おにぎり」という名称も広く知られていたという。配布の列に常に100人以上が並び、用意した3000個はわずか2時間でなくなった。
ジェトロが公開している動画によると、米国での日本産米の評価は高まっており、現地スーパーには、日本産の銘柄米が多数並ぶ。以前は米国産米を購入していたという人も「日本産米は味わいがよく高品質。価格が高くても日本産米を選ぶ」などと話している。
好調を裏付けるように、日本産米の輸出は拡大している。農林水産省によると、2019年に1980トンだった米国への輸出量は、23年に6883トンに増加。24年1~7月は前年同期比3割増の4638トンに上っている。
ドジャースは売店でおにぎりのほか、冷たい「焼き芋」などの販売も検討中。8月には日本産のサツマイモを使った焼き芋の無料配布イベントも実施し、1600個が1時間45分でなくなったという。【嶋田夕子】
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