世界各地で話題となっているユニークなイベントが福岡で初開催されました。

14日、JR小倉駅で開かれたあるイベント。

みなさん、一点を見つめ「無の表情」を浮かべています。

このイベントの名は「~ぼーっとする大会~」。

ただ、ぼーっとするだけの大会なんです。

2014年に韓国で始まったイベントで、今回、初めて福岡で開催されました。

企画したのは北九州市立大学の学生です。

◆福岡大会実行委員長 末廣和音さん
「周りの学生が忙しそうなのを見て、もう少しゆとりのある生活のほうがいいと思って。ぼーっとする大切さを知ってほしい」

競技スタートの1時間前、イベント広場には応募総数60組の中から選ばれた19組が集結しました。

中には虫取り少年のような格好をした人やなぜか上下パジャマ姿の人も。

◆無職の男性(福岡市から参加)
「無職です。普段からぼーっとしているので、普段働いている人には負けないです」

◆金融機関で勤務(太宰府市から参加)
「金融機関で働いています。本日はゆっくり休もうと思って、ぼーっとさせていただきます」

中にはこんな男性も…。

◆大学生(福岡市から参加)
「バイトも辞めさせられ、彼女にもふられ、時間だけ余っているので、ぼーっとすることぐらいしかないのかなと」

22歳の若さで人生を悲観したかのように“絶望の境地”で競技に挑みます。

午後2時15分、競技がスタート。

60分間、ただ静かにぼーっとするだけ。

スマホを見たりしゃべったりしたら失格です。

判定スタッフが厳しくチェックし、心拍数の安定度やぼーっとする姿の美しさを評価します。

そして、この競技の最大の敵は「眠気」。

ぼーっとしすぎて、途中で寝てしまう人も。

寝ると強制退場させられます。

彼女に振られ“絶望の境地”で大会に臨んだ男性の様子はというと…、過去の自分と向き合っているのでしょうか、ボーっとし続けていました。

そして、競技が静かに終了しました。

第1回福岡大会の優勝者となったのは、春日市から参加した門田里美さんでした。

◆優勝者 門田里美さん(春日市から参加)
「最初は緊張したけど、自分のペースでぼーっとできました」

◆司会者
「マラソンランナーの感想みたい」

“絶望の境地”の男性は第3位という結果でした。

◆彼女に振られた大学生(22)
「やりました、3位です!苦しかった時期を乗り越えて3位をもらえた。昔の自分とあの時支えてくれた彼女に感謝しかない」

ただぼーっとするだけという一風変わった今回のイベント。

大会で表彰された上位3組は、10月に東京で開かれる全国大会に出場することができます。

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