9月20日から「動物愛護週間」が始まりました。これに合わせて毎年メッセージを発信するのが、動物愛護に取り組む俳優の杉本彩さんです。今年は「ペットをどこから迎えますか?」。長野県内で起きた虐待事件も念頭においたメッセージです。

■人間のちょっとした行動一つで

「動物環境・福祉協会Eva」の理事長として、保護活動に取り組む杉本彩さん。9月14日、水戸市で「動物との共生」をテーマに講演しました。

動物環境・福祉協会Eva・杉本彩さん:
「私たち人間のちょっとした気持ち、行動一つで動物たちの環境は大きく変わり、動物たちの生涯が豊かであるかが左右されていくわけなんです」


■劣悪な環境で飼育 無麻酔で帝王切開

杉本さんが「Eva」を立ち上げたのは10年前。講演会や学校での出前授業、国や自治体への働きかけなど、精力的に取り組んでいます。

長野県内でも3年前、杉本さんの刑事告発がきっかけで、ある事件が明るみになりました。松本市の販売業者による虐待事件です。

1000匹近い犬をケージに閉じ込め劣悪な環境で飼育し、麻酔を使わず帝王切開で出産も。

ペット業界の暗部が明らかになりました。

■「量刑が軽く、抑止につながらない」

動物愛護法違反の「殺傷」と「虐待」の罪に問われた元代表。2024年5月に、判決が言い渡されましたが―

杉本彩さん(判決後の会見):
「こんな判決いいのかって、本当に悔しくてたまらない」

判決は、執行猶予付きの懲役1年、罰金10万円でした。

杉本彩さん(Eva YouTubeより):
「法定刑が緩すぎるのではないかと考えています」

杉本さんは「量刑が軽く、抑止につながらない」と厳罰化の法改正を求める署名活動を続けています。


動物環境・福祉協会Eva・杉本彩さん:
「じりじりじわじわ、痛みと苦しみを伴って、恐怖を伴って犬たちは命を落としていった。司法の場では、動物の命はこんなにも軽く扱われているのかと。心底、本当にがっかりしました」


■劣悪なペットビジネスをなくすために 

杉本さんは愛護週間に合わせて、毎年、ポスターなどを制作してメッセージを発信しています。

今年は「ペットをどこから迎えますか?」。

ペットを家族に迎える際、繁殖の場で起きているかもしれない「動物たちの苦しみや痛み」を想像してほしいと訴えます。

動物環境・福祉協会Eva・杉本彩さん:
「世の中から、こういった(劣悪な)事業者がビジネスできないようにするためには、そのニーズをなくしていくことが大切だと思っているんですけれども、自分たちの消費行動が、本当に責任あるものでないと動物問題の解決に至らないんだと、しっかりと自覚していただくことがものすごく大切だなと」


子犬や子猫などをショーケースに展示して販売する「生体販売」。需要の高まりとともに、店は増加しています。

「ペットフード協会」の調査では、2023年、犬を飼い始めた人の入手先の割合は「ペットショップ」が最多の63.3%。次いで「業者のブリーダー」が16.3%、「里親探しのマッチングサイトから譲渡」などと続きました。


■優良なブリーダーや団体か…見極めが必要

優良なブリーダーや団体なのか、杉本さんは見極めが必要だと訴えます。

動物環境・福祉協会Eva・杉本彩さん:
「私たちとしては保護動物を迎えていただきたい。保護動物を迎えるのであれば、正しい活動をしている保護団体から迎えていただきたい。保護動物を譲渡していただくときは施設とか(団体の)人たちと実際に会って施設を見て、動物の福祉にかなった環境で保護されているのかとか(確認して)、慎重になっていただきたいですよね」


講演を聞いた人はー

講演を聞いた人:
「フランスではペットショップないんですよね。そこまで極端なのは日本では到底実現しないと思うが、そうなるのが理想」
「法律もなかなか変わらないということがあったり、(動物を)保護していくのは難しいんだなと感じました」
「自分に何かできることがないかなって考えられたので良かった」


■最後まで動物の命に責任を持って

動物環境・福祉協会Eva・杉本彩さん:
「この動物愛護週間に皆さまにぜひ考えていただきたいことは、皆さんの行動が、どこから動物を迎えるかという正しい選択をしてくださることが、動物たちの不幸をなくしていくことに本当に重大な影響をもたらしますので、ぜひ慎重に十分に考えて善良な団体さんから迎えていただきたいですし、最後までその命に責任を持って、その命を幸せにしてあげてほしいと思います」

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