2023年、1年間で交通事故が多かった交差点のランキングが発表されました。大阪だけで見ても、なんと6カ所もランクイン。

一方、過去ランクインしてしまった「事故多発交差点」では、実は改良が施されていること、気がついていましたか?

■全国ワースト1「長居交差点」歩行者が見えづらいのも要因の一つか

交通事故が多かった交差点で全国ワースト1位となったのが…。

【記者リポート】「『長居交差点』です。車、歩行者ともに、とても数が多いです」

2023年、大阪市住吉区の長居交差点で起きた人身事故は、19件にものぼっています。

【記者リポート】「駅の入り口があって左折する車から歩行者がみえづらくなっています」

一方、大阪市北区の「梅新東交差点」。

新御堂筋と国道1号が交わっていて、大阪でも交通量がとても多い交差点となっています。

日本損害保険協会が9月13日に発表した事故多発交差点のうち、全国ワースト5位にランクイン。2023年の1年間で、14件の事故が起きました。

事故が多発する原因の一つと考えられているのが、標識。「常時左折可能」といって、前の信号が赤や黄色でも、周りに注意しながらいつでも左折することができるという標識なんです。

一方通行と似ているためか、この標識を知らないドライバーは前の赤信号を見て止まってしまい、しびれを切らした後ろの車からクラクションを鳴らされています。

【ドライバー】「赤信号で危ないってブレーキ踏んで、後ろからごっつんという(状況を見たことがある)」

また、別の車線から右折してくる車と合流し、衝突しそうになることも…。

【ドライバー】「左折するのと右折するのがガシャンと当たるのを、業務中でもたまに見かけたり」

【警察】「この道路は事故が多い。ここと東天満が多い」

■交差点を“コンパクト化”する改良工事を実施

事故が多発する交差点を変えていこうという動きも。

2022年、「交通事故多発交差点」のワースト2位となった大阪市北区の「東天満交差点」。交通量が多く、過去には大きな事故となったケースもあります。

ここでは、左折する車と歩行者が接触する事故も多いといいます。スピードを出したまま左折する車が多く、歩行者に気づかないまま接触してしまうことが原因の一つだそうです。

事故を防ぐために取られた方法は“交差点のコンパクト化”。交差点「そのもの」の改良工事が行われたのです。

横断歩道を交差点の中心に寄せることで、歩行者が視界に入りやすくなり、車が勢いよく左折するのを防ぐという狙いがあります。

■「歩道を前に出す」ことで横断距離を短くする方法も

さらに、珍しい対策も…。

【大阪・天満警察署 秋田潤一交通課長】「歩道を前に出すというのもコンパクト化の1つ。横断距離を短くすることで、歩行者自身が道路を横断する時間を減らしたり、距離を短くする」

なんと、歩道を前に出してしまうというもの。こうすることで横断歩道を渡るのに時間がかかる子どもや高齢者が車道にいる時間を短くすることができ、事故の防止にもつながるということです。

そして9月、交差点のコンパクト化が完了しました。こうした改良は、他の交差点でも進んでいます。

ワースト5位となった先ほどの「梅新東交差点」でも、警察などによる話し合いが行われました。

【道路管理者】「向こう側の左折可もやめて、ラインを引き直す」

協議の結果、「梅新東交差点」でも課題の「常時左折可能」を10月頃に廃止。信号によって管理します。

【大阪・天満警察署 秋田潤一交通課長】「道路管理者の皆さんと協力しながら、対策をとっていく。ドライバーの方にも交通ルールを守っていただき、事故防止に努めていただきたい」

事故多発交差点ランキング常連の大阪。こうした対策で「常連」脱却を目指します。

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