子宮頸がん予防のワクチンです。国は、ワクチン接種が推奨されなかった期間に機会を逃した女性を対象に、公費で受けられる「キャッチアップ接種」を行っています。制度は、2025年3月末まで。接種は3回必要で、全てを公費で受けるには、9月中に1回目を受ける必要があります。医師は「正しい情報を確認し、接種を検討してほしい」としています。


長野市の産婦人科医院を訪れた20代女性。

医師:
「ちくっとしますね。痛み、しびれはないですか?」

女性:
「大丈夫です」

接種を受けたのは、「子宮頸がんワクチン」。原因となるヒトパピローマウイルスの感染を予防します。

医師:
「痛かったですか?」

女性:
「大丈夫です」

こちらの医院では、8月以降、1日5、6件予約が入っていて接種を受ける人が増えています。

丸山産婦人科医院・丸山和俊院長:
「8月、9月、夏休みやキャッチアップが終わるという時期に入ってきて、(接種者は)増えてきています」


子宮の頸部という出口に近い部分にできる子宮頸がん。若い女性に多いのが特徴です。

国内では毎年約1万1000人が子宮頸がんと診断され、2900人ほどが命を落とすとされています。


予防に有効なのがワクチン接種。5割から9割のがんが防げるとされ、国内では小学6年から高校1年を対象に2013年にスタートしました。


しかし、まもなく全身の痛みなどの副作用が報告され、国は、積極的な接種の呼びかけを中止していました。

その後、安全性や有効性が確認されたことから、国は、20224月、呼びかけを再開。この「中止期間」に接種できなかった人を救済しようと設けられたのが「キャッチアップ接種」です。

1997年度から2007年度生まれの女性が対象で、6万円から10万円ほどかかる接種が公費負担となります。


制度は2025年3月末まで。接種は3回必要で、標準的な間隔では6カ月かかります。このため、3回全てを公費で受けるには、1回目を9月中に受けることが必要となっています。

19日、1回目を受けた22歳の女子大学生も、キャッチアップ接種でした。

接種を受けた女子大学生(22):
「最初は時間があったらやればいいやと思っていたのですが、友達に聞いたり、親と話したりして、やっておいた方がいいという話になり、やろうと。100%予防ではないと思うのですが、やらなかったときよりは(子宮頸がんを)防げたらいいな」

公費で受けられる期限は迫っていますが、医師は「正しい情報を確認した上で接種を検討してほしい」としています。

丸山産婦人科医院・丸山和俊院長:
「まず大事なことは、きちんと正しい情報を得て、その上で判断してもらうこと。非常に効果が高くて安全性も他のワクチンに比べて、ノーリスクでないにしても、決してリスクが高いワクチンではないとわかってきた。むやみに恐れることなく、ただ必要な情報をしっかり入れてもらい、心配ないよとなれば、ぜひ打ってほしい」

最新の情報を確認して判断してもらい、心配や疑問がある場合は各自治体に相談してみてください。接種を受けていても、いなくても、20歳になったら2年に1度は検診を受けることも大切です。

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