教職員の業務負担の軽減や少子化により、学校単位での部活動や生徒が望む活動ができない状況になっていることを踏まえて、国や県は2023年度から2025年度までを改革推進期間とし、休日の部活動を可能な限り早期に、地域クラブ活動等へ意向することを目指しています。
  
このうち福井市では、2026年度からの完全移行を目指し準備を進めていて、11月から、市がホームページで受け皿となる地域クラブの活動内容などを公表しました。
 
どういった活動が挙げられているのか、また、保護者たちは部活の地域移行についてどう感じているのか、取材しました。
          
福井市のホームページでは、部活の地域移行について受け皿となる活動が全て一覧で分かるようになっています。例えばスポーツでは、種目・活動日時や場所、会費や月謝などの情報がまとめられています。
   
中にはバスケットボールのように、複数の受け入れ先が整っているところもあります。その一方でサッカーはというと、福井市内で一つの受け皿しかない状況です。
   
福井市は、2025年度末で休日に行う中学校の部活動を廃止し、地域クラブへの移行を目指しています。
  
こうした中、市は、生徒に休日の活動を選択する参考にしてもらおうと、地域クラブを調査しました。元々、市教委は290の活動が受け皿になり得るとしていましたが、調査の結果、現段階で実際に受け入れ可能なのは95の活動だけでした。
 
この結果の受け止めについて市教委は「1回目の調査という面では、協力してもらえた方だと受け止めている。ただ、内容を見ると種目に偏りやエリアに偏りがあるので、各活動団体と調整は引き続き行う必要があると考えている」と話しています。
  
現在、受け入れ可能な95の活動の内訳は、スポーツが36、文化・芸術が26、公民館・地域・その他の活動が33でした。
 
文化・芸術では、書道が12の受け皿がある一方で、吹奏楽は1つでした。スポーツでは、剣道は4つ、柔道が5つある一方、バドミントンは1つだけでした。現状では種目に偏りがあることがわかります。
  
実際に保護者はどう思っているのでしょうか?部活動の地域移行が始まる2026年度以降に子供が中学生になる保護者に話を聞きました。
 
保護者:
「私たちも調べたが、中学生を受け入れているクラブチームというのが公になっていないみたいで、そこを口コミで知るしかなくて、強い子はそういう所を探していると思う。そういう情報を知りたい」
「活動費用も気になるし、地域移行になると活動場所が自宅から遠くなることもあるので送迎の負担も気になる」
  
保護者からは、情報が少ないことや費用面、送迎、練習内容といったことに不安の声が聞かれました。
  
福井市では、子どもたちがやりたい活動を身近な場所でできるよう、受け入れ団体を一つでも増やしていきたいとしています。
 
部活動の地域移行のメリットは▼教員の負担軽減▼地域で複数校の生徒が集まることで活動の幅が広がる▼プロからの指導が受けられる場合もある、などですが、一方のデメリットとしては▼保護者の負担が増す▼土日の送迎の負担▼月謝や年会費などの活動費がかかってくる、などがあげられます。
  
地域の人がボランティアで支え続けるには限度があり、どうしても費用が発生してししまうことや、金額にもばらつきがあり、家庭の経済状況によって活動に参加できない子どもが出てくるのではないかという心配もあります。今後、受け皿となる活動や、生徒にとって入りやすい環境を一つでも増やしていくことが求められています。        

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