北海道大学大学院 水産科学院の学生らのグループの研究で、魚の精子の頭部の大きさが受精の成功に影響することが明らかとなりました。

 北海道大学が20日発表しました。

 研究によりますと、魚では紫外線を照射してDNAを働かないようにした精子を卵子に人工授精させることで、メスのDNAのみをもった個体をつくることが可能で、養殖においてメスの商品価値が高い魚などで行われています。

 魚の卵子は卵膜という薄い膜で保護されていて、卵膜には精子が卵子に到達するための卵門とよばれる小さな穴がありますが、卵門や精子のサイズは魚の種類によって異なるため、研究グループはその関係を調べようと実験を行いました。

 実験では、メダカの卵子に対し紫外線を照射した精子(キンギョ、ドジョウ、ゼブラフィッシュ、ニジマス、ティラピア)で人工授精を試みました。

 その結果、ニジマスとティラピアの精子のみが授精しました。

 精子の形を調べると、ニジマスとティラピアの精子の頭部サイズが卵門よりも小さかったことが分かり、精子の頭部サイズが受精に影響を与えることが明らかになったということです。

 また、違う種類の魚でも人工受精に成功したため、今後、限られた時期にしか精子が取れない魚や個体サイズが小さく精子の採取が困難な魚でも人工授精の効率化が期待できるとしています。

 研究グループ:北海道大学大学院 水産科学院 博士後期課程2年の竹内 萌さん、川村祥史さん(研究当時 修士課程2年)、博士後期課程3年の荒井那允さん、北海道大学大学院 水産科学研究院の西村俊哉 助教、藤本貴史 教授、井尻成保 准教授、北海道大学 北方生物圏フィールド科学センターの高橋英佑 技術専門職員、山羽悦郎 名誉教授(研究当時 教授)など

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