郷土料理をアレンジしたレシピの出来栄えを競うコンテストの全国大会で、秋田県横手市のイタリア料理店が県内で初めてグランプリに輝いた。レシピには郷土への強い思いが込められている。
11月9日に東京で開かれた大会、その名も「ご当地タニタごはんコンテスト」だ。健康を考えて郷土料理をアレンジしたレシピで15チームが競い合った。
出場チームの一つが、横手市十文字町のイタリア料理店「Comer+(コメールプラス)」。
挑んだレシピは、いぶりがっこを使った和風リゾットに、地元のブランド豚・十豚を使った地ビール煮込み。かやき風に仕上げた。
さらには、ニシン漬けからヒントを得たカポナータと、豆腐カステラを重ねたミルフィーユのデザートまで。
一皿に盛り付け「和気 湧く(わくわく)具沢産(たくさん)お腹一杯プレート」と名付けた。
Comer+の松川剛さんは「メニュー名は、みんなで地域の食文化を守り、和気あいあいとした活気ある地域社会の維持と継続につなげられれば良いなと思い、付けました」と審査員にアピールした。
そして審査の結果、Comer+は見事グランプリを獲得した。
松川さんは「送り出してもらった生産者のお母さんたちに『とりましたよ』ということで、一緒に喜びを分かち合いたい」とグランプリを喜んだ。
「Comer+」は、横手市十文字町のスーパーマーケット内にある人気店だ。
厨房を切り盛りする松川剛さんは、店で働く管理栄養士の高橋あゆみさんとともに試行錯誤を繰り返し、レシピを完成させた。
応募する時期が、5~6月にかけての地物の野菜がどんどん色づいてくる時期だったため、地物の野菜は最初から色よく使いたいと、特にこだわったという。
店はスーパーマーケット内にあるため、地元の農家の直売コーナーで旬の野菜を仕入れることができる。
また、健康に配慮するため、塩分が少ない地元のみそを使ったり、ブドウを使った地ビールで香りをつけたりしておいしさを引き出した。
抗酸化作用が高い食材を取り入れていて、免疫力の向上が期待できるんだとか。
管理栄養士の高橋さんは「秋田の郷土料理であったり、地元の食材に興味を持ってくれた人が実際に足を運んできて、今後の秋田の食文化の発展に貢献できれば良いなと思う」と話す。
また、松川さんは「これからも健康的な生活を続けていくことは、生産者が野菜を育ててくれて、それが届いて加工して、召し上がる方に届くという一連があると思うので、歯車としてずっと回っていきたい」と語った。
グランプリを受賞したレシピの提供は未定だが、店では「ぜひ味わってもらえる機会をつくりたい」と話している。
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