長年地域の安全に貢献した警察官に贈られる「香川県民の警察官」。2024年に選ばれたのは、高松北警察署牟礼交番の丸山恭敏警部補(56)。公私ともに走り続ける警察人生を追いました。
「牟礼交番丸山です。今から現場に向かいます」
地域の安全のため、自分ができることを惜しまない。休む間もなく走り続ける。そんな警察人生を一言で表すと。
(丸山恭敏警部補)
「県民のためと思い、自分のできることを精いっぱいし、走り続けてきた」
高松市牟礼町にある高松北警察署牟礼交番。人口約1万人を管轄するこの交番で所長を務めるのが、2024年の香川県民の警察官に選ばれた丸山恭敏警部補です。
(丸山恭敏警部補)
「仕事をすればするほど、地域の人に信頼され、それに応えようと思い、やりがいがどんどん増えていく」
落とし物の届け出や交通事故の対応など、交番の仕事は様々。この日は、まちのコミュニティセンターを訪れました。高齢者に対し、増加する強盗や特殊詐欺への注意を呼び掛けます。
(丸山恭敏警部補)
「多額の現金を家に置かないように。困った時は必ず牟礼交番か高松北警察署に。電話でもいいし、来てもいいので」
地域の人の安全な暮らしを守るため、自分にできることは惜しまず行動に移します。
(牟礼コミュニティセンター 井上政治センター長)
「本当に助かっている。人柄も大変優しく、話しやすい」
「今後ともよろしくお願いします」
■学校
「気を付けて帰ってね。事故に遭わないように」
午後2時半ごろ、丸山警部補の姿は近くの小学校にありました。
「みんな真っすぐ帰る?渡ったところ細いから1列になって行ってな」
子供たちの登下校の見守りは、日課の一つ。一人一人の顔を見ながら、安全に送り届けます。
(丸山恭敏警部補)
「声を掛けたら元気いい声で返してくれるので、元気をもらい頑張って仕事をしようと思う」
そんな丸山警部補のプライベートは・・・。
(シューズのひもを結ぶ丸山警部補)
バレーボール一筋だった学生時代。その名残で、12歳の時から40年以上、ジョギングを続けています。
(丸山恭敏警部補)
「子供の頃から走ることが好きだったので、ずっと走り続けている」
子供のころに見たパトカーや警察官だったおじに憧れ、1991年に香川県警に入った丸山警部補。ジョギングで培った体力と精神力を生かし、県警の駅伝部に所属すると、その力強さが買われ全国大会にも出場しました。28歳の時には、走って逃げる窃盗犯を鍛え抜いた足で追いかけ捕まえたこともあります。
(丸山恭敏警部補)
「被害者から感謝の言葉をもらい、やはり警察官は犯人を捕まえなければならないということで、体力・精神力を鍛えるために走ることは大切だと思う」
自分に負けず続けてきたジョギングは、たくましい体と強い心を作りました。
■ハンバーグを焼く様子
「ジュー」
(丸山恭敏警部補)
「ちょっと焦げているが、おいしいと思う。(Q:出来栄えとしては?)80点くらい」
丸山警部補を隣りで支え続けるのが、妻の千亜紀さんです。
(妻・千亜紀さん)
「家ではまったく仕事の話をしない人なので、(香川県民の警察官に)選ばれるのはすごいのかもと」
これまで家のことを任せきりだった千亜紀さんに恩返しの気持ちを込めて、5年前から手料理を作るように。三男の元気さんも一緒に晩ご飯を食べます。
(丸山恭敏警部補)
「妻が作ってくれたのでおいしい。(千亜紀さんの声:私は味噌汁と野菜だけやで)それでもおいしい」
警察の仕事柄、家族そろって食卓を囲む機会は多くありません。だからこそ、このひとときは、丸山警部補にとって、最も大切な時間です。
(丸山恭敏警部補)
「ずっと付いてきてくれた妻と子供3人に感謝の気持ちを伝えたい」
(妻・千亜紀さん)
「直接言ってもらえるとうれしい。良かった」
「牟礼交番丸山です。物損事故ですか。行けます」
交番では、いつ、何が起きるか分かりません。この日は、物損事故の通報がありました。
(丸山恭敏警部補)
「現場到着。お待たせしました。ケガはないですか、大丈夫ですか」
車のタイヤがスロープに乗り上げ、動けなくなった事故。現場では、当事者に不安を感じさせないよう、冷静に対応します。
(丸山恭敏警部補)
「あとレッカーが来て持ち上げてもらう。その間はお巡りさんが交通整理をするので」
人の役に立ちたいと走り続けた警察人生。子供のころ憧れた頼れる警察官の背中へ、丸山警部補はこれからも走り続けます。
(丸山恭敏警部補)
「県民から期待と信頼される警察官になるためにも、県民の声を聞き、一生懸命前を向いて走っていきたい」
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