「化学の甲子園」と言われるコンテストで飯山高校2年生の女子生徒3人の研究が全国2位となりました。開発したのは二酸化炭素を吸収する小さなボール。地球温暖化対策にもつながる研究で、年明けには世界大会にも出場します。

■イクラ似の酸素を生むボールの誕生

青く色づいた液体。中には、ミドリムシなどの緑藻類が入っています。スポイトを使って透明な液体に落とすと。

生徒:
「塩化カルシウム水溶液に表面が触れた瞬間に固まります」

透明で小さなボールが出来上がりました。

高藤さん:
「ぷにぷにしています。(何に似ている?)イクラに似ています」

このボールの名前は「ミドリ・バイオ・リアクター」(MBR)。ボール内に閉じ込めた緑藻類の光合成により、二酸化炭素を吸収し、酸素を生み出す効果があります。

■女子高校生3人で開発

開発したのは飯山高校自然科学部の2年生の女子生徒3人です。

飯山高 自然科学部・藤沢佳美さん:
「近年話題になっている地球温暖化、二酸化炭素の増加が原因の一つとさていますが、(地球温暖化地策には)二酸化炭素を吸って減らし、酸素を吐いて増やす、エネルギーにもなる葉緑体を用いることが有力なのではないかと考えました」

4月から地球温暖化の要因となっている二酸化炭素の削減について研究を重ねてきた3人。試行錯誤を重ね行きついたのが緑藻類をボールに閉じ込める方法でした。

飯山高 自然科学部・大塚結愛さん:
「光合成をするボールにすることで、外部との酸素と二酸化炭素の循環が可能で、二酸化炭素を減少できる」

1リットルのボールを1日光合成させると、1.5リットルの二酸化炭素を吸収するということです。

■「化学の甲子園」で全国2位

3人は、この研究成果で「化学の甲子園」とも言われる「高校化学グランドコンテスト」に応募。すると、10月の最終審査で全国102チームの中から2位にあたる化学未来賞に選ばれました。入賞は、県内の高校で2校目だということです。

飯山高 自然科学部・高藤陽菜果さん:
「研究の最中では予想と違っていたり、うまくいかないことがたくさんあったが、賞をもらって、自分たちのやってきたことは間違っていなかったとわかってうれしかった」

2025年1月に台湾で開催される世界大会への出場も決まった3人。今後は、「ミドリバイオリアクター」の実用化についても研究を進めたいとしています。

飯山高 自然科学部・大塚結愛さん:
「例えばワインを発酵させる現場で二酸化炭素が出てしまうので、そこでの活用や火力発電所で二酸化炭素が出るので、その時に使うとか、二酸化炭素が出る現場で活用されたらいいなと思っています」

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