全国的に水道管の老朽化が進む中、相次いでいるのが水道料金の値上げです。新潟市では来年1月から料金が約3割上昇。戸惑いの声が上がる一方、老朽化をめぐる対策は待ったなしの状況です。
■下水道管損傷で道路陥没も…老朽化による更新時期迎える
【記者リポート】
「新潟市北区の市道です。こちらの道路の下を通る下水道管の損傷が原因とみられる路面の沈下や道路の陥没が発生したということで、現在このように交通規制が敷かれています」
11月28日、新潟市北区高森新田で行われていたのは、道路の陥没による交通規制です。
25日、道路を管理する市の職員が幅1.4m、深さ1.7mにわたり陥没している場所を発見。一体、なぜ陥没したのでしょうか…
【県水道課 波塚泰一 課長】
「全国的には、下水道を起因とするような道路陥没が多く発生している事例もあるので」
県によりますと、下水道管が損傷したことで周りの土砂が吸い出され、道路の陥没につながった可能性があるということです。
下水道管が原因であれば、早急に補修をしていきたいと話しますが…
【県水道課 波塚泰一 課長】
「総じて予算は少ない、あとは老朽化も進んでいるので、対策をやらなければいけない箇所も多くなっていて、まだまだ足りないというのが実情」
水道管の多くは高度経済成長期に敷設され、現在、老朽化による更新時期を迎えています。
■新潟市の水道料金 約3割値上げへ
こうした中、工事費用がかさみ、相次いでいるのが水道料金の値上げです。
今後、全国で多くの自治体が水道料金を値上げする方針を発表していて、特に新潟市では来年1月から平均29%と、大幅に引き上げられます。この状況に新潟市民は…
【新潟市民】
「大きい、30%だと。私らも年金生活だから」
【新潟市民】
「ちょっと大変。電気もガスも上がっている中で、水道料金まで上げられるとなると」
上げ幅の大きさに戸惑う声も…。
【新潟市民】
「安心安全な水を供給してもらうにはやっぱりかかる。しょうがない」
【新潟市民】
「とりあえず、流しっぱなしにしないように一回一回止める」
新潟市が水道料金を値上げするのは約24年ぶりで、その背景には人口減少などによる収入の減少も影響しています。
【新潟市水道局経営管理課 大場悟史 課長】
「このままいくと、令和7年度には水道事業が成り立たなくなる」
また、今年1月の能登半島地震では老朽化した水道管で石川県のほか、県内でも多くの断水が発生。耐震性のある水道管に変え、ライフラインを維持するためにも水道局は値上げへの理解を求めています。
【新潟市水道局経営管理課 大場悟史 課長】
「効率化を図りながら、市民の皆様にご迷惑をおかけしないように、引き続き、事業運営をしていきたいと思っているので、何卒ご理解のほどよろしくお願いします」
私たちの生活に欠かせない水道をめぐる環境は大きな転換点を迎えています。
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