全国各地で問題となっている「カスタマーハラスメント」問題。
過激化する客に対して、大手飲食チェーンが相次いで対策に乗り出し、厚生労働省も方針案を示すなど、従業員を守る動きが広がりをみせている。
店内を荒らし、殴りかかる客も
大手牛丼チェーン「吉野家」で撮影された、カスハラの一部始終。
この記事の画像(9枚)男性客:
あんた、店長だってさっき自分で言ったよな。嘘ついてんの?
男性客は、頭を下げる店員の姿をスマホで撮影していた。
注文をめぐってトラブルになり、男性客は「店長を出せ」と要求したが、店長代理が対応したことで、客の怒りはヒートアップした。
男性客:
嘘ついて言ったんだね。店長だってね。あんた自分が店長だと言ったよ。代行ではなく店長だって言ったんだよ。なぜおたくは嘘つくの、正義感出すなよ。
こうしたカスハラに対し、吉野家ホールディングスは2日「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を発表した。
「従業員の安心安全や人権を守るためにも、カスタマーハラスメントに該当する行為に対しては、本方針に沿って毅然とした態度で対応を行います」
カスハラにあたる客について、「今後の来店を拒否する場合もある」としている。
また、岩手・盛岡市の居酒屋でも2024年9月、こんなやり取りがあった。
店主:
いやでも店終わってるから…
男:
うるせえ! ビールだ。
店主:
いやビールは出せないです、店終わりました。
年輩の男がぶらりと現れ、ビールを出すよう要求したが、閉店後のため店主が断ると男は激高した。
男:
もういい!
カウンターの上にある椅子を次々と落としていく。
店主:
名前と連絡先教えてもらっていいですか?
すると男は突然、カバンで左から右から何度も殴る。店主は、やむなく110番通報した。
ケンタッキー店舗に「STOPカスハラ」ポスター
こうしたカスハラから従業員を守るため、しっかり客にアピールする店もある。
ケンタッキーの店舗に貼られているのは、「STOPカスタマーハラスメント」と書かれ、カスハラに当たる行為をイラストで示したポスターだ。
2日、日本ケンタッキー・フライド・チキンも、「カスタマーハラスメントに対する方針」を発表した。店内にポスターを掲示することで、従業員を守り、周知や啓発をする狙いがある。
KFC利用客:
いいと思う。従業員も働きやすくなると思うし、抑止にはなると思う。
中には、飲食店の仕事でカスハラを経験したという人もいた。
カスハラ経験のあるKFC利用客:
積極的にやるべき。年々お客の要望が、ハードになっていくと思う。言い分としては分からなくはないが、そこまで言う必要あります?が本音ですね。
こうした状況に厚生労働省は、「カスハラ」を定義したうえで、企業に対策を義務づける方針案を示すなど、従業員を守る動きが広がりをみせている。
(「イット!」12月3日放送より)
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