世界で唯一のカブトガニをテーマとした博物館「笠岡カブトガニ博物館」(岡山県笠岡市)が、公式X(旧ツイッター)で発信している写真や動画が話題になっている。飼育するカブトガニが健康診断のためにCTスキャンを受けている写真は、約2万5000件の「いいね」がついた。同館の担当者は「来場者の増加につながれば」と話している。
博物館のXは、学芸員の二宮颯人さん(24)が中心となって2022年12月に始めた。当初は細々と日々の活動を紹介していたが、変化があったのは24年1月。体を曲げたカブトガニを真っすぐにする方法を動画で紹介したところ、閲覧数が一気に増えた。二宮さんは「狙ったわけでもなく、普段通りに発信したので、反響に驚いた」と振り返る。
その後も、カブトガニが命がけで脱皮する様子の動画などが閲覧者の心をつかみ、当初は100人ほどだったフォロワーが約3600人まで増えた。これまでは近くの家族連れの来場が多かったが、Xが話題になったことで全国から訪れるようになったという。
国の天然記念物で「生きた化石」と呼ばれるカブトガニは、古くから笠岡市の神島水道で生息している。しかし干拓によって減少し、一時は絶滅を危ぶまれるようになった。博物館は、カブトガニの繁殖地のほとりにあり、生きたカブトガニの展示に加えて、研究や保護活動に取り組んでいる。
二宮さんは「当館で動いているカブトガニたちを実際に見て、生きた化石を身近に感じてほしい」と話している。
開館時間は午前9時~午後5時。月曜休み(6日は開館)。入館料は一般520円、高校生310円、小中学生210円など。問い合わせは同館(0865・67・2477)。【今東理恵】
◇
5月5日には、同館で管理している恐竜化石や鉱物を特別に展示する「化石にさわってみよう!」が開かれる。森信敏館長とカブトガニの専門家である惣路紀通前館長が解説する。午前10時と午後1時からの2回。入館者対象で予約不要。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。