タクシー会社の管理のもと一般のドライバーが運転する車で有料で客を運ぶ「ライドシェア」について、11月27日に岩手県内で初めて3つの事業者に許可が出されました。
どんなメリットが考えられるのか、参入する岩泉町の事業者を取材しました。

タクシー事業や運送業を営む岩泉町の岩泉自動車運輸は、11月27日に県内で初めて「日本版ライドシェア」の許可を受けた3つの会社のうちのひとつです。

川村功社長室長は町に必要なサービスだと考え導入を決めたといいます。

岩泉自動車運輸 川村功社長室長
「多種多様なニーズにいかに応えていくかが重要。バスの時間に停留所へ来られない人にいかにサービス提供するかがテーマ」

「日本版ライドシェア」とはタクシー事業者が実施する教育を受けた一般のドライバーが自家用車を使い有料で客を運ぶ仕組みで、タクシーの運転手不足の解消や移動手段を確保しやすくなるといったメリットがあります。

岩泉自動車運輸のライドシェアは、対象エリアが岩泉町・田野畑村・普代村それに宮古市の一部で、時間は午前7時から午後8時までとなっています。
予約の仕方はこれまでと同じく電話で行うことができます。

ライドシェアのサービスは、タクシーの予約が埋まっている場合にだけ提供されることになり、予約の際に発着場所を確認して予めルートと料金を決めるのが特徴です。

岩泉自動車運輸の場合、国の制度に基づき通常のタクシーの運賃に1.13をかけた料金となります。

12月中旬からのサービス開始を目指し、現在(6日時点)は車両に掲示が義務付けられている張り紙などの製作を急ピッチで進めています。

ライドシェアに参入した背景にはある悩みもありました。
岩泉自動車運輸では2024年、タクシードライバーが1人引退し2人になっていたのです。

予約が混み合う時間帯は人手が足りなくなっていましたが、ライドシェアの導入により自社のトラック運転手や内勤の社員が一般ドライバーとして会社の車両を利用し人を運ぶことができるようになります。

岩泉自動車運輸 川村功社長室長
「我が社にも、町民にも、双方にいい環境ができたと思う。次は一般の人たちに範囲を広げ地域の公共交通サービスを支えていく」

岩泉自動車運輸では今後、ライドシェアを活用した観光事業も行っていきたいとしています。

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