「勉強や仕事に身が入らない」「いつも以上に疲れを感じる」GW明けによく見られるこうした症状、もしかすると“五月病”かもしれない。放っておくと、うつ病などにつながる恐れがあり、注意が必要だ。心療内科の医師に対策や注意点について聞いた。

新年度開始から1カ月…疲れは?

新年度の始まりから1カ月が過ぎ、最近体や心の異変を感じていないだろうか。

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街で話を聞いてみると…「よく感じる。朝が弱くて、休みが続いた後は起きづらくなったり」「朝、起きるのがつらい。目覚まし時計をたくさんかけて起きている」「学校に行っていてすごく感じる。疲れたなと」

いつも以上に疲れや朝の起きづらさを感じている人は少なくないようだ。

こうした異変、そのまま放っておくと危険かもしれない。

五月病の患者増加「この時期充電切れに…」

新潟市中央区の万代メディカルクリニックで心療内科などを担当する茂木崇治医師は「4月はじめから頑張って、新しい環境・ステージで熱心に取り組んでいる方々が、GWにかけてオーバーヒートした状態で倒れこむ。疲労が抜けない、眠れないなどの症状で受診される方が多くなっている」と話す。

万代メディカルクリニック 茂木崇治 医師

新年度の環境の変化に対し、気付かぬうちにストレスがかかり、疲れやすい・寝起きが悪い・意欲がわかないなど様々な症状が出る「適応障害」。

いわゆる五月病で受診する患者が増えているという。

「脳の中のセロトニンやノルアドレナリンのような頑張れる神経伝達物質の充電がだんだん減っていく。その期間が大体3週間~1カ月くらいで、ちょうどこの時期に充電切れ、空っぽの状態で色々な精神的、体の症状も出現してくると言われている」

20代より30代の方が五月病になりやすい!?

症状の程度は様々で、自分自身では気付きにくいことも多いという五月病。

大手住宅メーカーの2022年の調査では、五月病になった人の割合は30代が最も多く45%、20代は43.3%が5月病になったと回答。

「職場に行きたくない」「気力がない」「気分が落ち込む」などの体調の変化が出たという。

GW明けに体調の変化が出たという人の原因については、「出社のストレス」「人間関係の変化や悩み」などが挙げられた。

“うつ病”につながる恐れも

「単なる疲れ」などとそのまま放っておいてはいけない理由について、茂木医師は「無視して頑張れるだけ頑張ってしまうと本当に動けなくなる。誰にも相談できないまま倒れこんじゃう。いわゆるうつ病、うつ状態へと進行する危険性もある」と指摘。

うつ病につながる恐れもあるこの5月病を防ぐためには、どのようなことが必要になるのか。

対策は「自分を褒めて認めてあげること」

趣味を見つけて打ち込むことや運動などに加え、茂木医師が最も強調するのが「自分を褒める」ことだ。

「最も重要なことは自身の日常の頑張り、自分自身で褒めて認めてあげようとすること。この1週間ハードだったな、よく頑張ったな、きょうぐらい休もうかなと、あえて無理してナマケモノになる。これが五月病にならない、また早めに戻れる秘訣。頑張ろうとするほうが簡単だし、頑張ろうとするほうが褒められると思っているが、自分自身と対話をすることが一番大事」

GWも後半。自分自身の体や心の状態に目を向け、しっかりと心身を休める時間にすることも大切だ。

(NST新潟総合テレビ)

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