2024年も残すところあと半月ほど。12月15日に年賀状の受付が始まったが、近年は年賀状を送ることをやめる“年賀状じまい”が加速している。年賀状の歴史を紐解くとともに、最新の年賀状事情を取材した。

去年“年賀状”を出さなかった人は半数以上…

新年を祝う文化やコミュニケーションツールの一つとして重要な役割を果たしてきた“年賀状”について、街の人はどのように感じているのだろうか。街で話を聞くと…

30代男性:
メールとかでやりとりできるので、紙を使う理由がない。

70代女性:
LINEやSNSを使うことが多くなっているので、書くのはちょっと面倒くさい。

20代女性:
(Q.最近、年賀状は出している?)出していない。LINEなどで送る。

年賀状の代わりにSNSなどで手軽にやり取りする人が増えている一方で…

20代女性:
去年は出した。手書きで絵を描いて友達に出して喜ばれたらうれしい。

手書きだからこそできる工夫を楽しむ人もいた。

年賀ハガキなどを販売する企業が20代以上の男女600人に行った調査では、去年、年賀状を出さなかった人が半数以上を占めている。

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年賀状を出す人の割合は、年齢が高くなるほど増え、出さない人の割合は若年層ほど多くなっている。

飛ぶように売れた年賀ハガキ…人気のバイト先にも!

年賀ハガキの発行枚数も年々減少し、年賀状離れが進んでいるが、今から40年以上前の郵便局では販売開始に合わせ長蛇の列が!飛ぶように年賀ハガキが売れていた。

年賀ハガキ発売日(1987年)

さらに、受付開始日にはくす玉を割ってお祝い!専用の巨大なポストに次々と年賀ハガキが投函されていく。

そして、年賀ハガキの区分けする作業をする仕事は、年末のアルバイト先として学生に人気となっていた。しかし、この作業は徐々に機械化が進んでいく。

年賀ハガキの区分け作業(1988年)

一方、今も変わらず人々を楽しませているのが、1949年に始まった年賀状のお年玉くじ。

かつては一等の当選者に商品を贈呈する式典も。1982年の一等は大きなオーディオ機器、1991年にはアナログテレビが賞品に。

オーディオ機器が一等の賞品に(1982年)

どこか懐かしさを感じるのは、新聞紙を広げた場所で絵の具などを使って年賀状に思い思いの図柄を刷る光景。パソコンの普及で徐々にその様子も様変わりしていった。

“獅子舞”を刷った年賀状(1997年)

今はバイクが主流の配達も、かつては自転車が活躍。各家庭へ懸命に年賀状を配達していた。

SNS普及・ハガキ値上がりで“年賀状じまい”加速…

ただ、2024年10月に郵便ハガキの値段が63円から85円に値上げされたことで年賀状離れは加速しているようだ。

生活雑貨や文具などを販売する新潟市内のお店では、売り場の一角に来年から年賀状を出さない、いわゆる“年賀状じまい”を伝える年賀状も置かれていた。また、年賀状じまいを伝えるためのシールは在庫がなくなり、別のシールが置かれていた。

“年賀状じまい”を伝える年賀状

今年は、年賀状じまいのための商品が売れているという。

こちらの店舗では、年賀状に貼る年賀状じまいのシール約50袋が販売を開始した11月下旬から2週間ほどで売り切れに。

この日も年賀状じまいのための商品を買い求める人の姿があった。

商品を買っていた80代男性にその理由を聞いてみると、「年賀状じまいのハガキが来るので、私もしようかと思って。郵便料金の値上がりも絡んでくるから」と話した。

SNSの普及、そしてハガキの値上げなどにより、年賀状離れが進むことが予想されるが、平安時代から続くとされる年始の挨拶、年賀状の文化は形を変えても大切にしたいものだ。

(NST新潟総合テレビ)

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