家に眠っているかもしれないあるものが、見られなくなるかもしれません。
ビデオテープでたくさん思い出を撮影している人もいるかもしれませんが、そのテープの寿命が2025年がめどと言われていて、もう中身が見られなくなるかもしれないんです。
ダビング店には、思い出を残したい人たちの依頼が殺到していて、東京都内のダビング専門店を訪れると、大量のビデオテープを持ち込む男性がいました。
店員:
テープの本数ですが、62本と8mmが2本という形ですね。
中身は子供たちの成長記録。
合わせて64本の依頼です。
60代男性:
生活の一部だとか、一緒に旅行行ったときのビデオだとか。いずれそれぞれに渡したいなと思って撮りだめしてたものなので、これをきっかけに渡したいなということで来ました。
かつてはどの家にもあったビデオテープをDVDなどにダビングする依頼が今、増えています。その理由が「2025年問題」。
ダビングコピー革命・丸山裕二店長:
劣化が進んで読み取れなくなってしまうんじゃないかと言われてきてる。2025年あたりを機に、それがだんだん増えていくと言われている。
1990年代後半に流通のピークを迎えたビデオテープ。
耐久年数は20年ほどといわれていて、テープ部分がカビたり切れたりするその寿命のめどが2025年とされているんです。
ダビングコピー革命・丸山裕二店長:
きょう、もうちょっと来ると思うんですけど、きょう届いた分の荷物ですね。ここ2~3日で申し込んでいただいた方だと思います。
もう中身が見られなくなるかもしれないということで、店に届くテープの数も増加しています。
1カ月あたり何と2万本以上で、150台以上のデッキでダビングを行っているものの、予約は2カ月待ちの状態です。
駆け込みで来た70代の男性は「さすがにもうダメになるか、ここがなければ一生涯見られないと思ってしまうんで」と話し、「家族みんなで楽しみたい」と慌ててテープを持ち込んだといいます。
70代男性:
フィリピンのボラカイ島というところに、もう45年前とかですからね、一生涯見られないと思ってしまうので、どうしても家族で見たいんですよ。こんないい、笑えるものってないんですよ。
そして、並々ならぬ思いでテープを持ち込んだ女性も。
20代女性:
祖母もこのテープに入っているものしか残ってないので、それを見たいなってずっと思ってて。10年以上前に亡くなったんですけど、数カ月前に亡くなったぐらいの記憶。そんな気持ちなんですよね。
14年前に亡くなった大好きなおばあちゃんの姿を一目見たいという女性。
おばあちゃんは映っているのか、父と一緒に確認すると…。
20代女性:
これだよ、みんみん(自分)探していたやつ。
父:
良かったじゃん。
20代女性:
え?あれじゃない?あー!ばば(祖母)見えた。ばば若いね~。
テープには元気な姿のおばあちゃんがしっかりと映っていました。
20代女性:
おばあちゃんの思い出が、またすごく思い出してきた。今の一瞬見ただけで。(Q.実際におばあちゃんを見てみてどうだった?)おばあちゃん見て?生き返ってほしいなと思いました。
さらに、おばあちゃんの映像だけでなく、こんなものまで残されていました。
父:
あなたが生まれた時だこれ。
娘:
あ~そう。
父:
それだよこれ!面白い!へぇ~懐かしい。
映像を見た父は「日々大事にしないといけないなと思いますよね。『こんな赤ちゃんだった子が?』みたいな感じですよね。いや~ビデオっていいですね。みんなに見せてあげたい。持って帰ってすぐ」と話しました。
ビデオテープの寿命は、一般的には20年ほどということです。
そして、ITジャーナリストの石川温氏によりますと、それぞれのメディアにも寿命があるといいます。
例えば、DVDやブルーレイは15年から100年以上。
ハードディスクは3年から5年だといいます。
ハードディスクは書き換えなどがあるため、短くなってしまうということです。
DVDは開きがありますが、安価なものは傷みやすく、国内大手のメーカーのものだと100年以上もつという実験結果もあるそうです。
では思い出を残していくためにはどうしたらいいのでしょうか。
まずは動画をデータにし、クラウドサービスを活用してデータ上で残していくという方法。
あとは定期的に新しいメディアに移し替えていくということも大切だということです。
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