北海道ではクマによる事故がこの大型連休の期間中に相次ぎました。なぜこの時期に増えるのか、そしてクマから身を守るにはどうすればいいのでしょうか。
「いた、いた、いた」(ドライバーの男性)
車をめがけて一直線に走ってくるクマ。
大型連休に入ったばかりの4月28日、北海道根室市東梅の林道で、山菜採りに来た男性2人が軽トラックで移動中、クマと遭遇しました。
「見た、いまの?(クマが)来た。まだ、来た来た」(ドライバーの男性)
専門家によりますと、クマは母親で子グマを守るため軽トラックを襲ったとみられています。
男性2人に怪我はありませんでしたが、軽トラックはワイパーやフロントガラスなどが破損しました。
また5月5日には浦河町上杵臼で山菜採りをしていた81歳の男性が、首や肩などをクマに噛まれました。男性は病院に搬送され、現在も治療を受けています。
北海道によりますと、クマによる人身事故で亡くなったのは1962年からの約60年間で59人に上ります。
死亡事故が最も多く発生しているのは5月で、これまでに10人が亡くなっています。
なぜ5月に事故が多いのでしょうか?
「山菜採りも5月は新芽の時期なので、非常にクマと人間が近づきやすい時期。山菜採りに行くと、クマに食先に食べられているという現場がよくある。たまたま(クマが)いないだけだと思ったほうがいい」(山岳ガイド 奈良亘さん)
クマによる死亡事故の33%は山菜採りが原因です。
山菜採りで命を落とす人は、クマの駆除やクマの狩猟による死亡事故よりも多いのです。
山菜採りの危険性とは?
「(山菜取りが)面白い、次々に進んでいくと新しい山菜が出てくる、探す、またある。どんどん楽しさにひかれて、自分がどういう状況にあるかわからない。どんどん登山道を外れて入っていくとさらにディープな自然になってきて、もっとヒグマが活動している場所に人間が入っていく。山菜採りは危険な場所に入っていく行為。自分の身を守ることも意識しないと」(山岳ガイド 奈良さん)
もしクマに遭遇した場合はどうすればいいのでしょうか?
「ガイドなので客にはクマにあった時(行動の仕方を)言っているが、実際、目の前にクマがいたらオワーッとなる。その中でも冷静に(クマを)びっくりさせるのはよくない。クマも戦闘態勢に入ることもある。何人かの場合は一つの固まりになって(人間は)大きい動物だとアピールして、目はそらさないでクマの方を見ながら固まる」(奈良さん)
山菜採りでクマの専門家はどのようなものを準備しているのでしょうか。
「クマスプレーを持っていた方がいい。ほかの細かいグッズもあらゆる対策を考えて山に入ったほうがいい」(奈良さん)
山には一人で入らないことや、クマスプレー、クマよけの鈴などの準備を怠らないことが必要です。
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