今回は「酢豚」の作り方を伝授します(以下、写真はすべて筆者撮影)料理の腕を上げるために、まず作れるようになっておきたいのが、飽きのこない定番料理です。料理初心者でも無理なくおいしく作れる方法を、作家で料理家でもある樋口直哉さんが紹介する『樋口直哉の「シン・定番ごはん」』。今回は街中華の定番メニューである「酢豚」です。

日本でおなじみの酢豚は「広東式」

日本でおなじみの酢豚は広東式といって、ケチャップを使った甘酢あんを絡めた料理。作るのが難しそうですが、手元に材料をきちんと合わせておけば意外と簡単です。

酢豚にはパプリカやピーマン、タケノコ、椎茸などの具材を入れるのが一般的ですが、今日は玉ねぎと豚肉だけのシンプルスタイル。甘めの味付けがご飯によく合います。

玉ねぎ酢豚の材料
豚肩ロース     300g
しょうゆ      大さじ1
酒         大さじ1
小麦粉       大さじ2
片栗粉       大さじ3
玉ねぎ       1個★甘酢
トマトケチャップ  大さじ3
米酢        大さじ3
砂糖        大さじ2
しょうゆ      大さじ1/2
黒こしょう     適量

豚肩ロースは脂と赤身のバランスがよく、加熱しすぎても硬くならない部位です。玉ねぎは新玉ねぎを使っていますが、ふつうの玉ねぎでも作り方は一緒。

豚肩ロースはかたまりを買いましょう

まず豚肩ロースを2.5cm角に切り、しょうゆと酒で下味をつけます。

豚肩ロースがなければ豚バラ肉でも同様に作れます

豚肉に味が浸透するまで数分置いておきたいので、そのあいだに甘酢あんを準備します。ケチャップ、酢、砂糖、しょうゆを1つのボウルで混ぜるだけです。

酢は米酢を使っていますが穀物酢でもかまいません

玉ねぎを切りましょう。まず、玉ねぎは皮を剥き、半分に切ります。芯を切り落としたら4等分の櫛形にきり、さらに半分に切ります。手でほぐしてバラバラにしておきましょう。

玉ねぎの代わりにパプリカなどの別の野菜を使うこともできます

豚の唐揚げを作ってきます。さきほど下味をつけた豚肉に小麦粉を加えて、手でさっくりと混ぜます。

強力粉を使っていますが薄力粉でも可

次に表面に片栗粉をまぶしていきます。

ボウルに片栗粉を加えてまぶす方法もあります

片栗粉をまぶした豚肉をサラダ油大さじ4をひいたフライパンに並べていきます。

フライパンを火にかけず作業しましょう

すべての豚肉を並べ終えたら、中火にかけます。1分ほど経つと泡が立ってくるのでそのまま加熱を続け、2〜3分経ったら裏返していきます。

冷たい状態から加熱することで中心まで確実に火を通せます

裏返したら火を弱火に落とし、さらに加熱を続けます。

表面が固まるまではあまり触らないように心がけましょう

トータルで6〜7分加熱すると表面がカリッとして、全体に焦げ目がつくはずです。

この状態で豚の唐揚げとしておいしく食べられます

一度、皿やバットなどに移し、フライパンにサラダ油大さじ1を残し、余分な油を除去します。

盛り付ける皿に移せば洗い物も増えません

フライパンに玉ねぎを入れ、中火にかけて2分ほど炒めます。焦げ目をつけるようにあまり動かさず、片面1分ずつを目安に加熱しましょう。

加熱することで玉ねぎの甘みが出ます

いよいよ仕上げです。豚の唐揚げをフライパンに戻します。

甘酢あんを手元に準備しておいてください

甘酢あんを一気に注ぎます。

酢を含んだ蒸気が出るので吸い込まないように注意しましょう

あらびきの黒こしょうを加え、味を引き締めます。甘酢あんが全体に絡んだら出来上がりです。

しっかり煮立てることで酸味が抑えられ、味にコクが出ます

豚肉がやわらかく仕上がるのは衣があることでゆっくりと加熱され、また衣が肉汁を吸い込むから。酢豚はもともとあまり品質のよくない豚肉を上手に食べるために考案された料理だったという説がありますが、高品質な現代の豚肉を使うことで格段においしくなりました。意外と簡単なので町中華風の料理に挑戦してみてください。

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