常時12種類のフレーバーがそろうバターサンド=和歌山市で2024年5月15日午前11時41分、安西李姫撮影
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 和歌山県産食材をふんだんに使ったバターサンドの専門店が昨年12月、和歌山市黒田にオープンし人気を集めている。旬の果物や特産品を使い、連日600個以上が完売する盛況ぶり。クッキー生地には地ビール醸造の際に出る麦芽かすを練り込んでおり、本来廃棄されるものを新しい食品原料として活用する「アップサイクル」にも取り組んでいる。

 店名は「和歌山バターサンド専門店101(イチマルイチ)」。運営会社は市内で飲食店2店舗を経営している「クライス」(和歌山市)で、バターサンドは元々所属するシェフが趣味で作っていたものだった。お客さんにプレゼントすると好評で「売ってほしい」との声が多く、雑賀泰弘社長(48)が専門店としてオープンすることを決めた。

「和歌山バターサンド専門店101」のギフトボックス=和歌山市で2024年5月15日午前11時42分、安西李姫撮影
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 「地元の人と関わり合いながら、地元のものをできるだけ多く使いたい」と雑賀社長。シェフとともにバターサンドのレシピを考案する中で、クッキー生地には麦芽の香ばしさが必要と考えた。そこで目をつけたのが県内でも醸造所が増えているクラフトビールで、有田川町の「ノムクラフト ブリューイング」で醸造の際に出る麦芽かすを使っている。

 本来廃棄されるものを再利用できるため、食品ロスの削減につながるメリットもあった。水分が含まれた麦芽かすを練り込むには乾燥・製粉する必要があり、和歌山市内の共同作業所「和の杜」に委託する取り組みも進めている。

旬の果物を使い、季節ごとにフレーバーが変わるバターサンド=和歌山市で2024年5月15日午前11時37分、安西李姫撮影
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 バターサンドには、海南市産のじゃばらや紀の川市産のキウイなど地元産の果物を多く使っており、生産者らと掛け合って規格外品を買い取っている。雑賀社長は「予想以上にさまざまな年代の方が買いに来てくれている。これからも地元の皆さんの思いが詰まった“地産多消”を目指したい」と話す。

 1日からは高垣酒造(有田川町)の銘酒「龍神丸」とコラボし、紀美野町産の甘夏を使ったフレーバーが登場している。営業時間は午前11時~午後5時で、日曜定休。公式サイト(https://buttersand101.jp/)からも購入できる。【安西李姫】

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