世界自然遺産に登録されている鹿児島・奄美大島で鹿児島テレビのカメラが貴重な映像をとらえた。国の天然記念物のキツツキの仲間、オーストンオオアカゲラの子育て、そしてひなの巣立ちの瞬間だ。
国の天然記念物の“希少な野鳥”
奄美大島の北部、龍郷町にある「奄美自然観察の森」は、年間を通して希少な野鳥や植物などが観察できる。
この記事の画像(17枚)地元住民はもちろん観光客にも人気の「奄美自然観察の森」で2024年5月16日、国の天然記念物に指定されているキツツキの仲間「オーストンオオアカゲラ」が、シイの木の幹に掘った巣穴で子育てに奮闘する姿を撮影した。奄美大島のみに生息する希少種だ。
体長は約30cm。メスは頭が黒く、オスの頭は赤い。数分から数十分おきにえさを交互に巣穴に運び、ひな鳥に与えていた。
親鳥が飛び立った後、巣穴から顔を出し、あたりをキョロキョロするひな鳥。外の世界に興味津々のようだ。
突然やってきた巣立ちの瞬間
3日後の5月19日。再び訪れると、親鳥が巣穴にエサを運ぶペースはだいぶ少なくなってきて、取材した記者は「巣立ちが近いのでは?」と直感したという。
そして、親が最後にえさを運んでから約2時間半後。巣立ちの瞬間は突然やってきた。巣穴の入り口に足の爪をかけたひな鳥は、勢いよく空へと飛び出していった。
巣立ったばかりのひな鳥は近くの木にとまり、自分でえさを探すようなたくましい姿も見せてくれた。
奄美自然観察の森全般を管理する川畑力指導員は「3月から5月にかけては繁殖の時期に入り、どうしても神経質になる部分はある」と話す。今回、巣穴から10メートルほど離れた場所から慎重に撮影したという。
「奄美自然観察の森」ではオーストンオオアカゲラが年間を通して見ることができる。ルリカケスやアカヒゲといった希少な野鳥を見かけるチャンスもありそうだ。平年より少し遅れて梅雨に入った奄美だが、南の島の鳥たちに会いに来てはいかが?
(鹿児島テレビ)
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