菅義偉前首相が15日、東京電力福島第一原発を視察した。首相在任中の2021年4月に処理水の放出を決め、昨年8月に放出が始まった。その現場を確認する目的という。

 菅氏は1~4号機を見下ろせるデッキで、東電福島第一廃炉推進カンパニーの小野明代表から説明を受けた。小野氏によると、汚染水の発生量は1日90トン弱で、10年前の5分の1以下に減少。処理水の海洋放出で不要になるタンクの解体を今年度中に始められるという。

 菅氏は多核種除去設備(ALPS)を通った処理水を海水で数百倍に希釈し、海に流す設備も見た。菅氏は記者団に、「この目で現地を視察した結果としても、現場の取り組みがしっかり行われている。地元の思いをふまえながら、政府と東電一体で丁寧な情報発信、安全の徹底に緊張感を持って行うべきだ」と話した。(波多野陽)

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