厚生労働省は5日、1人の女性が産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」が、去年、1.20と、8年連続で前の年を下回り、統計を取り始めて以降、最も低くなったと公表しました。
一方、国会では5日、少子化対策の強化を盛り込んだ改正子ども・子育て支援法などが成立しました。
改正法には、児童手当の所得制限を、ことし12月の支給分から撤廃し、対象を18歳まで広げるのに加え、働いていなくても子どもを保育園などに預けられる「こども誰でも通園制度」の導入や、育児休業給付の拡充などが盛り込まれています。
そして財源を確保するため、公的医療保険に上乗せして国民や企業から集める「支援金制度」を創設し、2026年度から、段階的に運用を始めるとしています。
政府はこうした対策を着実に実行することで、少子化に歯止めをかけたいとしていますが、専門家からは、さらなる対策として若い世代への経済的支援や、男性の育児参加を促す働き方の見直しなどが必要だという指摘が出ています。
政府は、対策の効果を検証したうえで追加策を検討し、2030年代初頭までに子ども・子育て予算の倍増を目指すとしていて、財源の確保に国民の理解をどう得ていくかが引き続きの課題となります。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。