大阪維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は10日、大阪都構想の是非を問う3度目の住民投票についての考えを問われ、2025年大阪・関西万博が優先事項としつつ、万博後については「何が起こるかわからない」と含みを持たせた。府庁で報道陣の質問に答えた。
都構想をめぐっては、日本維新の会の馬場伸幸代表が9日配信のネット番組で「地方を自立させる議論をもう1回惹起(じゃっき)するため、チャレンジは日本にとって大事だ」と述べ、3度目となる住民投票実施に意欲を示していた。
馬場氏はネット番組で、2015、20年に僅差(きんさ)で否決された過去2度の住民投票で、投票権が大阪市民に限られていた点についても、「(都構想が実現すれば)大阪府と市の税金を一緒に使っていこうということ。だから府民の皆さん方にも聞くべきだ」と主張。住民投票について定めている大都市地域特別区設置法(大都市法)の改正に言及した格好で、「ルールを変えて仕切り直しをしてチャレンジすることは意味あることだ」とも語っていた。
一方、吉村氏は10日、報道陣から馬場氏の発言について問われ、「個人的な意見だという意味での馬場代表の考え方だと思う」としつつ、「都構想に関しては維新の議員それぞれ深く、また強い思いを持っている」と述べた。
来年4月に開幕が迫る万博に向け、「(今は)成功に向けた注力をすべき時期だと思っている」とする一方、万博後については「政治ですから何が起こるかは今の段階ではわからない」と述べた。
仮に3度目の住民投票に挑戦する場合には「何らかの民主的なプロセス」が必要だとし、「そういったプロセスを経ることなく、漫然と3回目の都構想に挑戦ですと僕が言うことはない」とした。(野平悠一)
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