歳費(給与)とは別に国会議員に毎月100万円が支給される調査研究広報滞在費(旧文通費)の使い道と、その公開方法に向けた法改正をめぐり、自民党の浜田靖一国会対策委員長は11日、「(今国会での法改正は)日程的に見ると厳しい」との見方を示した。公明党幹部との会合後、国会内で記者団の取材に答えた。
今国会では、旧文通費の使途公開のあり方や未使用分の返金方法について、法改正を行うかが焦点となっている。こうした点を問われた浜田氏は「衆院だけではなく、参院でもいろいろと検討されていると思うが、すぐに解決するような話にはなっていない」と述べた。
自民と日本維新の会は5月31日に結んだ合意文書の中で、旧文通費について「衆参議長の下に設置される協議の場において前向きに議論を行い、使途公開と残金返納を義務づける立法措置を講ずること」と書き込んでいた。
合意文書は自民の裏金事件を受けた政治資金規正法改正案の衆院通過の際に結ばれたもので、維新は旧文通費の見直しを含めた3点の合意を自民が受け入れることを条件に、改正案の衆院通過に賛成した経緯がある。今回、自民が合意文書の一部をほごにすることになれば、維新が参院で審議中の改正案の対応で反発する可能性がある。
旧文通費は使途の公開や残金返還の義務がなく、議員の「第2の財布」とも呼ばれる。これまでの国会でも、再三見直しの議論が浮上しては先送りされてきた。4月の衆院予算委員会では、維新の藤田文武幹事長から旧文通費の使途公開を実現するよう求められた首相が、「支出可能経費の確定と支出の公開のあり方について、すでに議論を再開することを指示している」と述べ、今国会中に結論を出す意向を示していた。
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