岸田文雄首相は19日、ニュージーランドのラクソン首相と首相官邸で会談し、安全保障分野の情報共有に関する「情報保護協定」の締結で大筋合意した。中国の海洋進出などを念頭に、インド太平洋地域で安保協力を深める。
岸田首相は会談後の共同記者発表で「基本的な価値を共有する両国が戦略的パートナーシップを強化することはかつてなく重要」と指摘。「力による一方的な現状変更の試み、これは東シナ海、南シナ海を含め、いかなる場所であれ断じて容認できない」と述べ、締結により「両国の安全保障、防衛協力の強化を期待している」と語った。
会談後に発表された共同声明では、中国とフィリピンとの間で緊張が高まる南シナ海の情勢について「重大な懸念」を表明。法の支配に基づく国際秩序を損なう一方的な行動に反対するとした。
情報保護協定は、防衛装備品などの機密情報の取り扱いを定めるもので、二国間の情報交換を円滑にする狙いがある。ニュージーランドが参加する英語圏5カ国による情報共有の枠組み「ファイブアイズ」のうち、日本はすでに米英豪との間で協定を結んでおり、カナダとの交渉も進めている。(神野勇人)
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