東京都知事選が20日告示された。3選を目指す現職の小池百合子さんに、前参院議員の蓮舫さんらが挑む。各候補者は、駅前や選挙事務所前などであった「第一声」でマイクを握り、支持を訴えた。投票は7月7日で、即日開票される。(都知事選取材班)

主な立候補者の告示日の訴え(届け出順、名前をクリックで演説の内容へ)
・小池百合子さん
・石丸伸二さん
・安野貴博さん
・清水国明さん
・田母神俊雄さん
・蓮舫さん

◆小池百合子さん(71) 現職知事

小池百合子さん

もっと良くなる「東京大改革3.0」、戦いを進めていく。2期8年を振り返ると、都政の歴史に残るコロナ対策、その中で東京2020大会の開催があった。正直大変な毎日だったが、皆さんの命を守るために歩みを進めてきた。164の政策目標のうち90.3%を推進した。待機児童を97%減らし、首都直下地震に備えての耐震化を進めた。極めつけは子育て政策。社会で子どもを育てようという機運は今、国をも動かしている。 3期目の大目標は、世界で一番の都市を確立。都民の命と暮らしを守る、経済を発展させる。世界から周回遅れと言っていい女性の活躍推進、デジタル化の推進も進める。多摩や島嶼の振興も重要。宝である中小企業もたくさんある。課題はたくさんあるが正面から向き合う。東京をもっと良くする、一番の部分をさらに磨いていくため、都民とともに進めていく。(新宿区の選挙事務所で)

◆石丸伸二さん(41) 前広島県安芸高田市長

石丸伸二さん

インターネットの力を通じて、これほどまでに大きな人の輪が広がっている。もうすでに新しい時代が日本において始まっていると感じている。政治家としてはまだ4年だ。しかし今、世界に目を転じれば、若い世界各国のリーダーが生まれている。ナポレオン・ボナパルトが皇帝になったの30代だ。何かを始める、何かを変えるのに「若過ぎる」なんてことはない。 「優しさ」という言葉がある。「人を憂う」と書いて優しさ。しかし、それが政治を見渡したとき、どうにも感じられなくなってしまっていたように思う。「政治はいかん」、「許せん」。許してしまってたんじゃないだろうか。今改めて、私からみなさんに、東京都民に、そして、全国民に問う。みなさんが何を願うのか。何を選ぶのか。よりよい政治。よりよい東京。そしてよりよい日本。そのために、まずは私達が動いていこう。(新宿区の選挙事務所前で)

◆安野貴博さん(33) AIエンジニア

安野貴博さん

今回の選挙で、私が訴えたいことはただ一つ。テクノロジーで誰も取り残さない東京をつくることです。そのために「暮らし」「経済」「政治」それぞれをアップデートします。暮らしでは一つの例が、自動運転の推進活用です。今、多摩地区ではドライバー減少により、バスの本数も減ってきています。規制緩和や公共調達、国への働きかけをしていきます。経済成長は、どれだけテクノロジーを活用できるかにかかっています。起業の経験を生かし、東京に新産業を作り、より所得を上げられるように推進します。 テクノロジーを使えば、より良い民主主義の形が作れると私は考えています。民意を解像度高く行政運営に反映させる、新しい「デジタル民主主義」を実現することも可能です。テクノロジーは暮らしに関わる問題です。だからこそ、皆さんの意見を聞き、新しい東京の未来を作っていきたいと考えています。(渋谷駅宮益坂口で)

◆清水国明さん(73) タレント

清水国明さん

都民の命を救うための災害対策を第一にして闘う。51年間芸能界でやってきて、34年は都のいろんな問題を取材してきた。阪神淡路大震災から能登半島までほとんどの災害に出かけて、体験し、学び、ボランティアした経験を生かし、安全で安心な東京を作るためがんばろうと決意した。減災は当然だが、その先の避難生活への手当てが日本は遅れている。災害が起きる前の備えとして、いざというときに過ごせるキャンプ所や自然体験施設を東京から離れた場所に作る。 都政の透明化のため、税金の使い方を全て開示する。チェック機関を作り、知る権利を守っていく。またデジタル格差を無くし、高齢者も携帯を十分活用できるようにして、災害時に情報を共有できるようにしたい。少子化対策のため、病児保育の不足など親から聞き取って解消する。気持ちは都民のサイドにある。皆さんの不都合や不満を解決したい。(御茶ノ水駅前で)

◆田母神俊雄さん(75) 元航空幕僚長

田母神俊雄さん

私は第一に、安全で都民の暮らしが豊かになる東京を作りたい。この十数年で、東京はより安全で豊かな暮らしを実現できているか。逆方向に行ってると私は思う。どれほど公約が正しくても、善しあしだけでは駄目だ。それを実現する実行力があるのかということをよく見てほしい。一つ目は災害に強い東京を作る。二つ目は太陽光パネルなどをやめ、正しい歴史教育をやる。三つ目は減税をやる。四つ目は外国人優遇政策を見直す。五つ目はAI(人工知能)による目安箱を作りたい。 公約の善しあしもあるが、公約を実行できる意思、能力があるかも判断しなければいけない。私はたぶん他の候補者より、その能力は高い。自衛隊で5万人を動かしてきた実績があるからだ。下にいる職員がやる気を出さないと都政は進まない。私は人を使うのは上手な方だと自負している。公約の実行力を期待してほしい。(新宿区の防衛省前で)

◆蓮舫さん(56) 前参院議員

蓮舫さん

私は現職に戦いを挑む。チャレンジャーだ。東京は一見華やかだが、格差や暮らしにくさが広がっている。私がリーダーとなって、東京を変えたい。大きく二つの柱だ。一つは徹底して若い人たちを支えたい。もう一つは本物の行政改革を担わせていただきたい。少子化が止まらない。結婚に踏み切れない若い人がいるのなら、負担と不安を取り除くのが都知事の仕事だ。まずは安定雇用をつくる、奨学金の負担を減らす、この二つを都が率先して行う。 都の公契約を変える。契約する企業には、雇っている方の環境待遇改善、賃金の引き上げを約束してもらう。東京都から確実に賃金を上げていただくことができると確信している。行政改革は得意分野だ。東京版行政事業レビューシートをすべての事業に入れれば、誰もがお金の使い方を見ることができる。(中野駅北口で) 

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