前参院議員の蓮舫氏(56)は、東京都知事選(7月7日投開票)告示後の初の土曜日となった22日、有権者に示した「7つの公約」に関連する地として、世田谷区の三軒茶屋駅前に立った。すし詰めの聴衆を前に、「徹底した若者支援こそが、シニアの安心につながり、都の活力につながる」と訴えた。

有権者に支援を訴える蓮舫氏(右)=6月22日午後2時半、三軒茶屋駅前で(安江実撮影)

公約で「若者の手取り増」を最重要項目に挙げる。国土交通省の統計を元に「東京の(1世帯平均)手取り収入は全都道府県で3位だが、食費や家賃などの支出を差し引くと、全国ワースト1位になる」と指摘。経済的な苦しさが非婚化、少子化につながっていると分析するからだ。 その対策のヒントが世田谷区にある。同区は2015年、民間に事業を委託する際、従業員の報酬下限額を定める「公契約条例」を制定した。民間の賃金引き上げを促す取り組みで、下限額は本年度も引き上げた。 制度を導入した保坂展人・世田谷区長(68)が応援に訪れ、「制度を東京都がやったらものすごく効果がある。改革の柱としてやってほしい」とエールを送った。 蓮舫氏は非正規雇用の格差是正や医療従事者らの奨学金返済支援など、ほかの若者支援も約束した。同じ少子化対策でも、妊婦や保護者らへの支援に手厚い現職の小池百合子氏(71)の政策と異なり、「長期的な視点に立っている」と自負している。その後は若者が多い渋谷駅前でも演説した。

有権者と握手をする蓮舫氏=6月22日午後2時35分、三軒茶屋駅前で(安江実撮影)

◆陣営に手応え「小池さんのお尻が見えてきた」

選挙戦での街頭演説は平日1回、週末2回の方針。21日に小池氏を支援する自民都連の萩生田光一会長の地元八王子市で演説を行い、萩生田氏の裏金問題を批判したように話題性のある場所を重点的に選ぶ。 蓮舫さんの古巣の立憲民主党で、地元選出の手塚仁雄衆院議員(57)が「三軒茶屋にこんなに人が集まったのは見たことない」と驚き、手応えを口にした。「小池さんのお尻が見えてきた」(原田遼) 

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