東京都知事選と同じ7月7日に投開票される都議補選が28日、江東区、品川区、中野区、北区、板橋区、足立区、八王子市、府中市、南多摩(多摩市、稲城市)の9選挙区(いずれも被選挙数1)で告示された。裏金問題で逆風下にある自民が、最大会派を維持できるかが焦点となる。秋の自民党総裁選や次期衆院選をにらんだ各党の思惑も重なり、注目の選挙となりそうだ。  補選は現職議員の辞職や死去に伴う。計30人が立候補した。  最大会派の自民は、南多摩をのぞく8選挙区に候補を擁立。うち中野、北、板橋の3区は、小池百合子知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」と対決する。都議会勢力は自民が27議席、続く都民ファが25議席。結果次第で逆転の可能性もある。  江東区は昨年4月の区長選に出馬し都議を辞職した自民元職と、いずれも新人の共産、無所属2人の計4人が争う。品川区は自民、立憲民主、無所属2人の新人4人が対決。中野区は2022年の参院選に出馬し都議を辞職した都民ファ元職と、いずれも新人の自民、共産、無所属の計4人が戦う。

候補者の演説に耳を傾ける市民

 北区は自民、都民ファ、共産、維新の新人4人が対決。板橋区は自民元職と、いずれも新人の都民ファ、共産、維新の4人がぶつかる。足立区は自民、立民の新人同士の一騎打ち。  八王子市は自民新人と諸派元職の一騎打ち。府中市は自民と無所属2人の新人による三つどもえ。南多摩は都民ファ、立民、無所属の新人3人が戦う。  都選挙管理委員会によると、同日に9選挙区で都議補選が行われるのは過去最多。(三宅千智)  ◇  ◇

◆女性候補者は50% 前回都議選の28%を上回る

 都議補選には計9選挙区に男女それぞれ15人が立候補した。女性比率は50%。全42選挙区で行われた前回2021年の都議選の28.4%を大きく上回った。  足立区が女性2人の一騎打ち。品川区と府中市で女性の候補者が男性を上回った。江東、中野、北の3区は男女同数。板橋区、南多摩(多摩市、稲城市)は男性が上回り、八王子市は男性2人の争いとなった。  都選管のホームページで記録を確認できる1947(昭和22)年の第2回都議選では、定数120に計396人が立候補。女性はわずか3%(12人)だった。  女性比率が10%台に乗ったのは89年。その直後に行われた参院選では、日本初の女性党首・土井たか子さん率いる社会党が女性候補の大量擁立で、自民党を過半数割れに追い込む躍進を果たし「マドンナ旋風」が流行語になった。  2009年以降は20%を超えるようになり、前回都議選の当選者の女性比率は、候補者の比率を上回る32.3%だった。  今回補選ではどんな結果が出るか。ちなみに9選挙区の欠員は江東、足立、八王子、府中、南多摩の5選挙区が男性議員の辞職や死亡、ほかは女性議員の辞職により生じていた。(小形佳奈) 

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