東京都知事選は7月7日の投開票まで1週間。6月20日の告示後、公務優先で街頭に出ることを控えていた現職の小池百合子氏(71)は30日、大粒の雨が降りしきる中、大田区の蒲田駅前で「あらゆる人が活躍できる東京をつくっていきたい」と力強く訴えた。

蒲田駅前で支持を訴える小池百合子氏=6月30日午後6時39分、東京・蒲田駅前で(布藤哲矢撮影)

演説では、多くの工場がある大田区の現状に触れ、新たな公約として、複数の中小企業が経営統合するための支援をする「TOKYO白馬の騎士・ファンド」や、後継者に悩む企業と開業したい若手をつなぐ「TOKYO版事業承継マッチングプラットフォーム」の創設などに取り組むと発表。「中小企業の雇用する人、働く人を守っていきたい」と述べた。 応援弁士には鈴木晶雅大田区長が立ち、都と区の連携を強調。これまでの選挙戦同様、支援する都民ファーストの会や自民党、公明党の議員は表に立たず、党派色を見せない戦略を取っている。 平日は、公務を優先するとして、小池さんが街頭演説を実施するのは週末のみ。「『普段会いにくい人に会いに行く』」がテーマ」(都民ファ都議)とし、人が多く集まりやすい都心などではなく、島しょ部や多摩地域などを中心に選んできた。

雨の中、小池百合子氏の街頭演説に耳を傾ける人たち=6月30日午後6時47分、東京・蒲田駅前で(布藤哲矢撮影)

この日は、水路が発達する江東区で船上での演説も実施。水路沿いのマンションなどの住民に向けて、「経済を発展させ、災害に備えるためには川の活用は大事」と訴え、マンションでの防災対策の実績に触れた。 6月28日の定例会見で、選挙戦について「とても反応がよい」と振り返った小池さん。陣営関係者は「実績は十分。この流れのまま行くことができれば」と語る。(渡辺真由子) 

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