政府は10日、「サイバーセキュリティ戦略本部」会合を持ち回りで開催し、2024年度の年次計画を決定した。サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に向けた法案を早期に策定する方針を初めて明記した。

政府は法制化に向けた有識者会議を6月に始動させており、秋の臨時国会への関連法案提出を視野に入れ作業を急ぐ方針だ。

能動的サイバー防御は、憲法21条が保障する「通信の秘密」を侵害するとの指摘があり、法的課題の整理が焦点となる。

年次計画は、サイバー攻撃が巧妙化し、生成AI(人工知能)を含む新技術の普及により脅威が増大していると説明。「欧米主要国並みに対応能力を向上させるため、能動的サイバー防御の実施に向けた法案を可能な限り早期に取りまとめる」とした。

重点施策として、政府機関や電力などの重要インフラ事業者の対応能力向上を図ると記載。サイバー対策が遅れているとされる中小企業への支援を進める。欧米主要国と連携を深め、国際的な安全保障の確保にも寄与すると強調した。

〔共同〕

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