安全保障に関わる機密情報「特定秘密」の違法な運用など防衛省・自衛隊で不祥事が相次いでいる問題について、岸田文雄首相が11日午後(日本時間12日午前)、訪問先の米ワシントンで記者団の取材に応じ、「国民の皆様にご心配をおかけしていることについて、まずお詫びを申し上げなければならない」と陳謝した。

 首相は、パートナー国として出席した北大西洋条約機構(NATO)首脳会議での議論に触れ、「現在の安全保障環境は大変厳しいものがある。我が国の防衛、一部の隙も許されない」と強調。木原稔防衛相の責任については「強力なリーダーシップを発揮し、防衛省自衛隊の組織そのものの早急な立て直しに取り組むことで、国民の信頼回復に全力で当たってもらわなければならない」と述べ、木原氏の更迭を否定した。

 防衛省は12日午前、特定秘密についての違法な運用や手当の不正受給などが行われていたとして関係者の処分を発表する方針だ。(ワシントン=笹川翔平)

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