岸田文雄首相は17日、太平洋島しょ国・地域の首脳らが集まる「太平洋・島サミット」にあわせ、首相官邸でフィジーのランブカ首相と会談した。日本政府が管理・運用する準天頂衛星「みちびき」を使って現地に災害情報を配信する取り組みを進めることで合意した。

フィジー政府が発表した地震や津波などの災害情報を海底ケーブルをつかって内閣府の管制局に送信し、みちびきを経由して現地の受信機に情報を届ける。防災サイレンやテレビを通じて住民に避難を呼びかけることを想定する。2025年度以降の導入をめざす。

衛星を使えば、災害による通信障害時も情報を確実に届けられる。フィジーの離島は電波が届きにくいこともあり、みちびきを活用して住民の適切な避難につなげる。

太平洋島しょ国で影響力の強いフィジーで実用化へ見通しがつけば、他の島国にも展開しやすくなる。日本政府は将来的に他の島しょ国への導入も視野に入れる。インフラ整備の支援で協力し、この地域での影響力を増す中国に対抗する。

【関連記事】

  • ・太平洋の島国に脱炭素・金融 日本が官民協力、中国意識
  • ・太平洋・島サミットきょう開幕 中国にらみ海洋安保協力

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。