岸田文雄首相は9月の自民党総裁選を巡り、茂木敏充幹事長が立候補する場合は、幹事長権限を別の党幹部に委嘱するよう要請する方向で検討に入った。茂木氏が出馬に向け来週判断すると言明したのを踏まえ、近く会談する予定だ。関係者が28日、明らかにした。  総裁公選規程などでは幹事長の権限を移す規定はなく、茂木氏が受け入れるかどうかが焦点だ。  自民では総裁が首相を兼ねるケースが多く、幹事長が総裁に代わり選挙、組織管理といった党運営全般を取り仕切る。党の資金を配分する権限などは力の源泉とされる。  党内からも総裁選の公正を期すために「茂木氏は幹事長を辞任するか、権限を委嘱すべきだ」(党幹部)との声が上がっていた。  過去には、幹事長だった麻生太郎副総裁が2008年に総裁選へ出馬する際、幹事長職を離れる考えを表明し、細田博之幹事長代理に職務を委嘱した例がある。


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