東京都議会は29日、2023年度の政務活動費(政活費)の収支報告書や領収書の写しを公開した。交付総額は7億1600万円で、交付額に対する支出割合を示す「執行率」は94.6%(前年度比3.7ポイント増)。4年ぶりに前年度を上回り、コロナ禍前(18年度、93.5%)の水準に戻った。

 費目別で支出額が最も多かったのは「広報紙(誌)発行費」の3億1925万6263円(前年度比1547万4236円増)。全体の約5割を占めた。

 主な会派別では、都民ファーストの会(8379万円)、公明(6748万円)、自民(5873万円)、共産(5267万円)、立憲民主(3418万円)。「都議会報告」の印刷やポスティングなどの経費に充てていた。

 前年度と比べて増加が目立つのが「視察・研修費」で485万9348円(同228万9248円増)。昨年5月に新型コロナが5類に移行したことを受け、活動が増えたとみられる。会派別では、公明が最多の171万1576円(同134万8895円増)。自民、都民ファ、共産も前年度を上回った。

 政活費は都議1人あたり毎月50万円が所属会派に公費で支給される。秘書給与や備品購入などへの充当が認められている。議員報酬とは別で、使わなかった分は都に返還する仕組み。23年度分は3871万円が返還される。(土舘聡一)

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