自民党本部で開かれた政治資金規正法改正に関する作業部会。奥はあいさつする鈴木馨祐座長(23日午後、東京・永田町)=共同

自民党の作業部会が23日に提示した政治資金規正法改正の独自案要旨は次の通り。

【はじめに】

一部の派閥、所属国会議員が規正法にのっとらない会計処理を行っていたのは遺憾。今国会中に規制の厳格化や罰則強化を伴う制度改正をするとの強い意志を持ち議論を続ける。

【再発防止に向けた最優先の制度改革】

①代表者(政治家)の責任の強化

国会議員関係政治団体の代表者は、政治資金収支報告書の事務処理を監督する責務を有する。会計責任者が法律に基づき収支報告書を作成しているのを確認し、確認書を会計責任者に交付しなければならない。会計責任者は収支報告書の提出と併せて確認書を提出しなければならない。

会計責任者が収支報告書の不記載・虚偽記載で処罰された場合、代表者が確認事項を確認しないで確認書を交付したときは、代表者に刑罰を科す。(公民権停止)

不記載収入は相当額を国に納付させる措置を講ずる。会計責任者が収支報告書の不記載・虚偽記載で処罰されたときは、より厳格な措置とする。

②外部監査の強化

国会議員関係政治団体の政治資金は、金融機関への預貯金で保管する。政治資金監査の対象に収入を含める。

③オンライン化による透明性の向上

国会議員関係政治団体は、収支報告書のオンライン提出を義務化する。総務省と都道府県選挙管理委員会に対し、収支報告書のインターネット公表を義務化する。

【再発防止策以外の検討項目】

政治資金に関する以下の課題について各党各会派と真摯な協議を行う。

①税金が原資である政党助成金の使途や、政策活動費、労働組合などの政治活動・資金の透明性の在り方。

②政治家個人の政治資金パーティー収入の透明性、外国人へのパーティー券販売の在り方。

③国会議員関係政治団体と関係が深い後援会など、政治団体間の資金移動の課題。

調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)は、支出の公開の在り方など各党各会派との議論に真摯に対応する。

【むすびに】

現下の厳しい国際情勢に鑑み、透明性確保を追求しつつ、以下の視点から公開になじまない場合の取り扱いに配慮する。

①国内外の政治勢力に対するセキュリティー。民間の営業秘密やプライバシー。

②政党交付金、寄付金、事業収入のバランス。

③透明性と、政治活動の自由やプライバシー、公開にかかる行政コストなどとのバランス。

わが党は引き続き、民主主義の健全かつ頑健な発展に向けて全力を尽くす。

〔共同〕

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