茂木氏「増税ゼロの政策推進を実行する」
茂木幹事長は午後2時から東京都内で記者会見しました。
この中で茂木氏は「総裁選挙に立候補することを決意した。目標を掲げ、チームを束ね、結果を出す。これが目指す新政権の姿だ。実行力のある安定した政権で内外のさまざまな事態にしっかり対応する」と述べました。
そして、重点政策の1つに経済政策を掲げ「成長力と生産性を向上し、一人一人の所得、年収をアップさせることを政権の最優先の目標に掲げる」と述べました。
その上で「増税ゼロの政策推進を実行する」と述べ、岸田政権のもとで決まった防衛力の抜本的強化のための増税と、少子化対策の強化のための支援金の保険料の追加負担、それぞれ1兆円を停止する考えを示しました。
代わりとなる財源として経済成長により見込まれる税収増やいわゆる外為特会など税外収入の増加などを挙げ「必ず結果を出し、3年以内に結果が出なければトップが、総理大臣が責任を取る」と強調しました。
そして「『増税ゼロ』の政策推進は、これまでの政策を否定するものではなく、国民の負担増への不安を解消しながら政策をさらに前に進めるものだ」と説明しました。
さらに「半年以内に30年にわたるデフレからの脱却宣言をできる状況にする」と述べました。
石破氏「とにかくデフレを完全に止める」物価上昇上回る賃上げを
自民党の石破元幹事長は国会内で記者団に対し、経済政策をめぐり「とにかくデフレを完全に止める。そのためには個人消費が拡大しなければならず、実質賃金が上がらなければならない。『賃金が上がったけど物価がもっと上がりました』ではどうにもならない」と述べ、総裁選挙で物価上昇を上回る賃上げの必要性を訴えていく考えを示しました。
石破氏は、党所属の衆議院議員の事務所を回ってあいさつを行いました。
このうち浜田国会対策委員長の事務所では、浜田氏から「頑張ってください。これほど多くの候補者が立候補するのはすごいことだ」と声をかけられました。
また、柴山・元文部科学大臣の事務所では、憲法改正が話題に上り、石破氏は「取り組みを加速させなければならない」と訴えました。
このあと石破氏は記者団に対し「今回で立候補は5回目になるが毎回初めてのような感じだ。これから先はほかの候補者の推薦人ではない議員にどうお願いするかが重要になる」と述べました。
一方、石破氏の陣営は、午後、国会内で選挙対策本部の会合を開きました。会合には、衆参両院の国会議員16人が出席しました。
冒頭、石破氏は「北海道から沖縄まで考えられるところすべてに電話をしている。どれだけお願いするかにかかっており、お力を借りたい」と呼びかけました。
会合では、国会議員や党員の支持拡大に向け働きかけを強化していくことを確認しました。
河野氏「財政に寄りかかった経済発展ではなく民間活力発揮を」
河野デジタル大臣は午前、千葉県睦沢町を訪れ、地域おこしのため郵便局の敷地内で干し芋を生産している取り組みを視察しました。
河野氏は、さつまいもの皮むきを体験したり、干し芋のペーストがのったかき氷を試食したりしたあと記者団に対し「郵便局が新しい産業を作り、町の人を雇用していることに驚いている。人口減少で地域の行政職員が減っていく中で、郵便局の役割は非常に大きい」と述べました。
また、総裁選挙で掲げる経済政策について問われたのに対し「政府の財政に寄りかかって経済を発展させるのではなく、民間の活力を発揮してもらって経済を伸ばしていくことが必要だ。そのために国内の投資機会をしっかり作っていかなければいけない。また、躍動感ある労働市場を作り、人生100歳時代と言われる中で、スキルアップを可能にしていく」と述べました。
また、旧ツイッターの「X」にコメントを投稿し、働き方改革をめぐり、みずからの意思で働きたいと思う人が思う存分働けるよう選択肢を広げるため、健康の確保を前提にスタートアップ企業に限定して長時間労働の規制を一定期間、緩和すべきだという考えを示しました。
このあと河野氏は記者団に対し「これまでは無理な働き方への対策が進んできたが、もっと仕事をしたい人の働き方があってもいい。健康管理などの前提条件をきちんと整えた上でもう少し自由に自分で働き方を決められるような制度を作ることが大事だ」と述べました。
小泉氏 「スタートアップ企業の株式への課税免除も検討」
小泉進次郎氏は、午後、地元の神奈川県横須賀市でスタートアップ企業の交流事業などを手がける会社を訪れました。
このあと小泉氏は記者団に対し「今の日本経済の低迷の大きな要因の一つは、成長分野になかなか人材が流れていかないことだ。スタートアップ企業の株式に対する課税の免除も検討するなど今まで以上に支援を強化し、日本の経済成長のけん引役としてスタートアップを位置づけていく」と述べました。
小林氏 「経済成長で税収を増やす」
小林鷹之氏は、インターネット番組「ニッポンジャーナル」に出演し、経済政策について「総理・総裁になって特に急ぐのが経済力の強化だ。新たな産業政策として地方に投資をして産業のかたまりをつくるほか、国家プロジェクトに挑戦し企業の意欲を駆り立てる新たな仕組みを導入する。経済が財政に優先するのが基本で、経済成長で税収を増やしていく」と述べました。
小林氏は東京都内で記者団に対し社会保障をめぐり「若い世代の社会保険料の負担が非常に重くどうやったら下げることができるのか、制度のあり方について議論する場を作りたい」と述べ「社会保障未来会議」と称する新たな会議を立ち上げて議論したいという考えを示しました。
一方、茂木幹事長が党から支給される「政策活動費」を廃止する考えを示したことについて「領収書を毎年公開してもいいと思うが、毎年公開すれば結局ほとんど使えなくなる。廃止も含めて検討することは大いにありうる」と述べました。
林氏「賃上げ実感するまで手を緩めない」
林官房長官はテレビ朝日の番組「大下容子ワイド!スクランブル」で経済政策では何を重視するか問われたのに対し「経済あっての財政であり、財政規律あっての経済ではない。やっと賃金の上昇が物価を上回ったところでありこれを確実にしたい。賃金が物価より上がることが当たり前だと皆が実感するまで手を緩めてはならず、必要な財政出動はためらわない」と述べました。
その上で「可処分所得を上げるためにも経済を成長させないといけない。日本の人口が減る中、大量生産ではなく付加価値を付けるべきで、コンテンツ産業などを基幹産業としてしっかり後押しし稼いでもらうことを考えたい」と述べました。
午後の記者会見では、立候補表明に際し茂木幹事長が防衛力の強化に向けた増税や、少子化対策強化のための追加負担を停止する考えを示したことについて「総裁選挙の各候補者の主張について、政府としてコメントすることは差し控えたい」と述べました。
その上で、防衛力強化に向けた増税や少子化対策のための追加負担は、歳出改革などを徹底した上でも、なお必要となる財源を確保するためのもので、すでに閣議決定や法改正で決まったことだという政府の立場を示しました。
そして、「政府としては、これらの措置は、防衛力や子ども・子育て政策の抜本的な強化を実現する上で必要なものだと考えている」と述べました。
午後には、党所属の衆議院議員の事務所にあいさつ回りを行いました。
このうち江藤元農林水産大臣の事務所では江藤氏から「国難にあたるには実務能力のある方が一番だということが国民や党員に必ず伝わると信じている」と激励を受け握手を交わしていました。
上川氏 麻生副総裁と会談 立候補への決意伝える
上川外務大臣は、午後、自民党本部で麻生副総裁とおよそ40分間会談しました。
この中で、上川氏は立候補への決意などを伝えたのに対し、麻生氏は「頑張ってほしい」と激励しました。
会談のあと、上川氏は記者団から支援を依頼したのか問われたのに対し、「そういうことはない。私の思いや決断を伝えて、さまざまな示唆をいただいた」と述べました。
また、推薦人の確保状況については「もうひと息という状況まで至っている。きょうからオーストラリア訪問のため、動きを一時中断しなければならないが、仕事優先で外務大臣としての職責を果たしたい」と述べました。
岸田首相「派閥単位ではなく政策本位の総裁選挙を」
岸田総理大臣は、夕方、山梨県富士吉田市で開かれた自民党の会合で講演しました。
この中で、「派閥単位ではなく、候補者が真剣勝負の論戦を行う政策本位の総裁選挙を行ってもらわなければならない。派閥の影響やしばりがないので 国会議員1人1人が自立した姿を示さなければならず、それぞれの判断と見識が問われる」と指摘しました。
その上で「何よりも大切なのは国民の共感を再び得られる政治の実現だ。私自身も、どの人に総裁を委ねるべきか、しっかりと判断し1票を投じたい」と述べました。
そして、「ややもすると、たくさんの候補者が出ているとか、誰が有力だ、キングメーカーだといったことばかりがマスコミで取り上げられるが、日本が進めてきた政策を維持し、未来に発展させられる候補者は誰なのかを見極めることも重要なポイントだ。政策にも思いを巡らし、日本の、自民党の新しいリーダーを選んでもらいたい」と呼びかけました。
全国知事会 人口減少対策などを各候補に問い公表へ
全国知事会は自民党の総裁選挙に向けて持続可能で活力ある日本と地域を実現するための10の政策を盛り込んだ提言をまとめました。
この中では深刻化する人口減少問題に対応するため、対策を推進する司令塔となる組織を国に設置するよう求めています。
また子ども・子育て政策については、地域で格差が生じないよう、国が必要な財源を確実に確保すべきだとしています。
そして知事会の提言についての賛否や主張を、各候補者に書面で問い合わせ、今月19日をめどに回答を公表することにしています。
全国知事会の会長を務める宮城県の村井知事は「知事会の意見をどこまで理解してもらっているのかを確認したい。また、政策論争や政党における取り組みにつなげてもらいたい」と述べました。
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