22年前の17日行われた初めての日朝首脳会談で、北朝鮮は日本人の拉致を認め5人の被害者が帰国しましたが、今も安否が分からない被害者は政府が認定しているだけでも12人に上っています。

この間、子どもとの再会を果たせないまま亡くなった親は8人となり、健在な親は、横田めぐみさんの母親で88歳の早紀江さんと有本恵子さんの父親で96歳の明弘さんの2人だけです。

横田めぐみさんの弟で被害者の家族会代表を務める横田拓也さんがNHKの取材に応じ「明弘さんや私の母、早紀江もきょう現在は元気で過ごしています。ですが、突然あす倒れてしまうかもしれない。1回倒れたらもう表に出てこられないかもしれない。そのことを考えるとのんきに構えていられません」と話しました。

被害者の家族は、自民党の総裁選挙や立憲民主党の代表選挙を前に先週、記者会見を開き、一刻も早い拉致問題の解決を訴えましたが、この会見は、早紀江さんが「このまま時間だけが過ぎ、生きているうちにめぐみちゃんと会えないかもしれない。私は絶望の中にいる」などと、話したことがきっかけだったということです。

拓也さんは「被害者本人がどれだけ悔しい思いをしているかと思うと政治の停滞は許されません。政治家の皆さんにはもっと熱量を込めてことばを武器にして問題解決のために声を発してほしい」と訴えました。

そして、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記に対し「娘を連れている姿がみられますが、一国のリーダーとして、健全な父親として、日本との人権問題をこのまま放置していいのか。彼自身が勇気ある英断をもって解決する必要があります」と述べ、日本政府の取り組みと北朝鮮の決断を求めました。

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