記者会見する連合の芳野友子会長=9月20日、東京都千代田区の連合会館で(佐藤裕介撮影)

連合の芳野友子会長は20日の定例記者会見で、自民党総裁選(27日投開票)の争点に浮上している解雇規制の見直しについて、「労働者の不安をあおり、かえって労働意欲を低減させる。緩和は全く必要ない。見直しも必要ない」と批判した。「日本の解雇規制は世界的にも厳しくない。立法事実が見当たらない」とも話した。 9人の総裁選候補者のうち、小泉進次郎元環境相は6日の立候補表明の記者会見で「労働市場改革の本丸、解雇規制を見直す。人員整理が認められにくい状況を変える」と主張。首相就任後、来年の国会に法案を提出すると公約したが、13日には「解雇の自由化」ではないと軌道修正している。河野太郎デジタル相は「解雇の金銭解決制度」の導入にも言及している。 芳野氏は、金銭解決制度について「不当解雇を正当化しかねない」と指摘。「一般的に労働者の選択肢を増やすという文脈で語られることが多いと思うが、労働者側は制度導入を全く求めていない」と訴えた。 芳野氏は、総裁選に「生活者に寄り添った政策につながる論戦を期待したい」と注文を付けた。

◆選択的夫婦別姓は「一日も早く」

「解雇規制の見直し」を掲げる小泉進次郎元環境相

一方、小泉氏は選択的夫婦別姓(別氏)制度の導入には、9人の候補者の中で最も前向きな姿勢を示している。 芳野氏は記者会見で「多くの女性が氏を変えている実態があるが、働いている女性は非常に不都合がある。氏が変わるということは女性活躍の阻害にも当たる」と強調。「(選択的夫婦別姓制度を)一日も早く実現してほしい」と求めた。

◆立民代表選への言及は?

連合が支援する立憲民主党でも、代表選(23日投開票)が行われている最中だ。芳野氏はこれまで、立民が進めてきた共産党を含む野党共闘を強く批判してきたが、この日の記者会見では「連合としては考え方はすでに固まっている。新代表が決まった時には、改めて連合の考え方をお伝えする」と述べるにとどめた。(佐藤裕介) 

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