日本と欧州連合(EU)が年内の締結に向けて交渉中の「安全保障・防衛パートナーシップ」の原案が判明した。局長級による「安全保障・防衛対話」を新設し、毎年開催。自衛隊とEU海軍部隊の共同訓練や、第三国を含む合同演習の推進を通じた海洋安全保障協力の強化も盛り込んだ。外交筋が21日明らかにした。
EUには、太平洋やインド洋に海外領土を持つ加盟国もあり、連携の強化によって、東・南シナ海への海洋進出を強める中国の動きをけん制する狙いがある。
原案によると、欧州とインド太平洋は、地政学上や安全保障分野で「相互依存している」と重要性を強調。防衛産業に関する情報交換を促進し、機密情報の交換を可能にする情報保護協定について「可能性を追求する」とした。
宇宙、サイバー分野でも既存の対話枠組みを拡大。軍事力に偽情報拡散などを絡めた「ハイブリッド攻撃」への対策や、核軍縮・不拡散の取り組みでも連携する。
岸田首相が訪米するのに合わせ、EUのミシェル大統領らとの会談を調整しており、交渉の進展を確認する可能性がある。
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