自民党は27日投開票の総裁選で岸田文雄首相(党総裁)の後継となる新総裁を選出する。国会議員票と党員・党友票による1回目の投票で決着がつかず上位2人の決選投票となるのが確実な情勢だ。石破茂元幹事長、高市早苗経済安全保障相、小泉進次郎元環境相が軸となる。

新総裁は27日夕に記者会見する。選出後直ちに党運営の要となる幹事長などの党役員人事に着手する。10月1日召集の臨時国会での首相指名選挙を経て新内閣を発足させる見通しだ。

総裁選は首相の9月末の任期満了に伴う。届け出順に高市氏、小林鷹之前経済安保相、林芳正官房長官、小泉氏、上川陽子外相、加藤勝信元官房長官、河野太郎デジタル相、石破氏、茂木敏充幹事長の過去最多の9人が立候補した。

議員票368票と同数の党員票368票の計736票で争う。議員は党本部で投票し、26日に締め切った党員票とあわせて開票する。党員票は全国の得票数を「ドント方式」で各候補に配分する。

1回目の投票で過半数を得る候補者がいなければ上位2人による決選投票となる。2人が5分ずつ演説し、議員票368票と都道府県連各1票の計415票を競う。都道府県連票は上位2人のうち、地域ごとの党員票の獲得数の多い方が1票を得る。

党派閥の政治資金問題を受けて党内の6派閥のうち麻生派(志公会)を除く5派閥が解散を決めた。派閥による候補の絞り込みがなくなり、9人による混戦の総裁選となった。1回目の投票では票が分散し、過半数を得る候補は出ない見込みだ。

決選投票では議員票の比重が高まる。各陣営は26日、首相経験者ら有力議員と面会するなど議員票の上積みに注力した。

石破氏は菅義偉前首相や麻生派会長の麻生太郎副総裁と面会し、協力を要請した。高市氏は陣営が最後の選対会合を開き、選対本部長を務める中曽根弘文元外相が二階俊博元幹事長と会談した。小泉氏も二階氏と会ったほか、首相官邸を訪れて首相に支援を求めた。

総裁選は12日に告示され、選挙期間は現行規程となった1995年以降で最長の15日間となった。首相は8月14日に不出馬を表明した。

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